こちらはルサッフル社の通称「赤サフ」「青サフ」「金サフ」と呼ばれるイーストについて、それらの違いや使い分けのポイントについてご説明する記事です。
「赤サフ」「青サフ」「金サフ」は聞いたことはあるけれど何がどう違うのかは知らない、という方も多いと思います。

私はどれを買えばいいんでしょう・・・
YUKAさんはどんなパンを多く作りますか?
それによって選ぶべきイーストが変わってきますよ。
パン作り歴27年・パン教室を開講して17年の私が、通称「赤サフ・青サフ・金サフ」と呼ばれるインスタントドライイーストについて、それらを使って実証実験をした結果をもとに、違いや使い分けについてご説明しますね。
お急ぎの方は結論をご覧ください→青サフ赤サフ金サフは適材適所で使い分けましょう
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赤サフ・青サフ・金サフの違い

ルサッフル社の3種類のインスタントドライイーストはパッケージの色合いから「青サフ」「赤サフ」「金サフ」と呼ばれます。
その3種類のイーストの違いを次の2つの観点から詳しく見てみましょう。
- 耐糖性か否か
- ビタミンCが入っているか否か
ルサッフル社のインスタントドライイーストは上の2つの違いから次のように分かれます。
耐糖性か否か | 入っているか否か | ビタミンCが||
耐糖性の別 | 適正に対応できる糖分率 | ||
青サフ | 低糖性 | 0~12% | ビタミンC 無 |
赤サフ | ビタミンC 有 | ||
金サフ | 耐糖性 | 5%以上 |
耐糖性か否か
イーストは低糖性か耐糖性(高糖性)かに分かれます。
青サフと赤サフは低糖性イーストで、金サフは耐糖性(高糖性)イーストです。
砂糖が多いパンは膨らみにくいです

でも砂糖が多いパンでもしっかりと膨らんだパンを作れるイーストがあり、それが耐糖性(高糖性)イーストと呼ばれます。

耐糖性ってことは糖に強いんですか?
そう思われがちですが、そうではなく糖の分解スピードが速いか遅いかによって低糖性か耐糖性(高糖性)に分かれるのです。
これを理解するには発酵の仕組みをご説明しなければなりません。
簡単に発酵の仕組みをご説明しますね

イーストは発酵に際し栄養が必要で主にそれは「糖」なのですが、砂糖はそのままではイーストの養分になれません。
インベルターゼという分解酵素によって、砂糖が「ブドウ糖と果糖」の2つの糖分に分解されて初めてイーストの栄養分になれるのです。

低糖性イーストは糖の分解スピードが速いので、あっという間に糖が分解されるため砂糖が多いパンは砂糖の浸透圧でイーストの働きが鈍ってしまいます。
青菜に塩を振ると水が出るででてクタクタになるのと同じです

これに対して、耐糖性(高糖性)イーストはショ糖(砂糖の主成分)を分解するスピードが遅いので砂糖がなかなかブドウ糖や果糖にならず、イーストは浸透圧の影響を受けません。
そうなると砂糖が多いパンでもイーストの働きが阻害されずパンがちゃんと膨らむのです。
ビタミンCが入っているか否か
イーストにはビタミンCが含まれているものと含まれていないものがあります。
赤サフと金サフにはビタミンCが入っていますが、青サフにはビタミンCは入っていません。
ビタミンCが入っている青サフを使うと、パンには次のような効果が生じます。
ビタミンCの効果 | 効果の詳細 |
グルテンの強化 | グルテンの結合が強くなってパン生地に弾力がつく |
パン生地の引き締め | パン生地が弱酸性に近づき生地が引き締められ扱いやすくなる |
発酵力向上 | イーストの働きを助ける酵素の合成がすすみ発酵力が安定する |
酸化防止 | イーストの酸化を防ぎイーストが活性化して発酵力が長もちする |

いつでもビタミンCがあったほうが良いみたいですけど・・・
いいえ、パンの種類によってはビタミンCが入っていない方が良い場合もありますよ。
例えばバゲットやクロワッサンやデニッシュなどはグルテンがあまり強くない方が良いので、そういったものはビタミンCが無いイースト、青サフの方が向いています。
逆にバゲットやクロワッサン以外のパンを作る時にグルテンができにくい青サフを使うと、グルテンが弱いので膨らみにくく、特にパン作り初心者の方には難しいかもしれません。
パンによってふさわしいイーストがあるんです

赤サフ・青サフ・金サフの違いを実証実験で検証
では赤サフ・青サフ・金サフによってパンがどのように変わってくるのか、糖分を変えて実際にパンを焼いて比較してみたいと思います。
それぞれ次のレシピで作り、イーストの種類を青サフ・赤サフ・金サフの3種類を焼きました。
<単位:ベーカーズ%>
材料 / 糖分別パンの種類 | ①砂糖20%のパン | ②砂糖10%のパン | ③砂糖0%のパン |
強力粉 | 100 | 100 | 100 |
イースト | 1.5(青・赤・金) | 1.5(青・赤・金) | 1.5(青・赤・金) |
塩 | 2 | 2 | 2 |
砂糖 | 20 | 10 | 0 |
水 | 67 | 67 | 67 |
バター | 7 | 7 | 7 |
実証実験①~砂糖20%の場合の赤サフ・青サフ・金サフの違い
砂糖20%のパンを3種類のイースト(青サフ・赤サフ・金サフ)でパンの焼き比べをした結果は次の通りです。
砂糖20%の時の一次発酵
砂糖20%のパンを一次発酵終了したときの様子は次の通りです。

グルテンができにくい青サフは一次発酵の段階で横に広がって発酵しています。
一方、上に伸びやすいと言われる耐糖性イーストの金サフは、赤サフ・青サフに比べて一次発酵で高さが出ています。
赤サフは、青サフと金サフの中間の膨らみ加減です。
このまま一斉に分割・ベンチタイムを取り成形をして二次発酵に入ります。
砂糖20%の時の二次発酵
砂糖20%のパンを二次発酵終了したときの様子は次の通りです。

2次発酵は金サフが一番よく膨らんで、TOP のカーブも張りのある綺麗なカーブを描いています。
一方赤サフは、TOP はきれいにカーブしていますが3つの中で一番膨らみが悪かったです。
また青サフは膨らみ具合は赤サフと青サフの中間でTOP のカーブが赤サフ金サフに比べてなだらかですが、これはビタミンC の影響でグルテンが強くないので生地に弾力が無いためと思われます。
すべて同時にオーブンに入れて焼成します。
砂糖20%の時の焼成
砂糖20%のパンを焼成したときの様子は次の通りです。

砂糖20%の甘いパンは、やはり耐糖性イーストの金サフを使ったものが一番膨らんで、トップのカーブも綺麗に出ています。
赤サフは青サフよりは膨らんでいますが、金サフには及びません。
一方青サフは、膨らみにくいだけでなくグルテンが少ないのでパン生地に弾力が無くTOP のカーブはなだらかです。
この実証実験の結果から砂糖の含有率が高いパンは金サフで作る方が良いパンができると証明されました。
実証実験~砂糖10%の場合の赤サフ・青サフ・金サフの違い
砂糖10%のパンを3種類のイースト(青サフ・赤サフ・金サフ)でパンの焼き比べをした結果は次の通りです。
砂糖10%の時の一次発酵
砂糖10%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の一次発酵の実験結果は次の通りです。

砂糖10%のパン生地の一次発酵は赤サフと金サフが同じくらいの高さまで発酵しました。違いは横への広がり方で赤サフの方が金サフよりも横にも広がっています。
一方青サフは横には広がりましたが、あまり高さがでませんでした。
一斉に分割とベンチタイムを取り成形後、二次発酵に入ります。
砂糖10%の時の二次発酵
砂糖10%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の二次発酵の実験結果は次の通りです。

砂糖10%のパン生地の二次発酵は赤サフが一番膨らみ、TOP のカーブも綺麗な弧を描いています。
金サフは赤サフほどは膨らみませんでしたが、同じようなTOPのカーブでした。
青サフは、赤サフと同じくらい膨らみましたが、TOPのカーブはなだらかです。
一斉にオーブンに入れて焼成していきます。
砂糖10%の時の焼成
砂糖10%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の焼成の実験結果は次の通りです。

砂糖10%の場合のパンの焼成は赤サフが一番膨らみました。
理論上は、砂糖10%の場合は青サフ赤サフ金サフどれも使えますが、今回の実験では赤サフの膨らみが一番よかったです。
実証実験~砂糖0%の場合の赤サフ・青サフ・金サフの違い
砂糖0%のパンを3種類のイースト(青サフ・赤サフ・金サフ)でパンの焼き比べをした結果は次の通りです。

砂糖0%のパンってあるんですか?
ハード系のパン、特にバゲットのようなパンは砂糖を入れずに作りますよ。
よって、現実的には砂糖の無いパンを食パン型で焼くことはほぼ無いのですが、今回は実験のため比較しやすいように砂糖0%のパンを食パン型で焼いていきます。
砂糖0%の時の一次発酵
砂糖0%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の一次発酵の実験結果は次の通りです。

砂糖0%つまり砂糖の無いパンの一次発酵は、耐糖性イーストである金サフはあまり膨らみませんでしたが、低糖性イーストの青サフと赤サフは膨らみました。
砂糖が入ってないパンは小麦に含まれる麦芽糖を分解してブドウ糖にしてからイーストの養分にするのですが、金サフはショ糖の分解スピードが遅いため、栄養を供給するスピードが遅くなり一次発酵に時間がかかるのです。
青サフと赤サフは低糖性イーストなので、小麦粉に含まれる麦芽糖をどんどん分解してブドウ糖にしていくため、砂糖が入っていないパンでも膨らんでいます。
一斉に分割・ベンチタイムを取り成形後二次発酵に入ります。
砂糖0%の時の二次発酵
砂糖0%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の二次発酵の実験結果は次の通りです。

砂糖0%つまり砂糖の無いパンの二次発酵は、一次発酵と同じような結果になりました。
耐糖性イーストである金サフはあまり膨らみませんでしたが、低糖性イーストの青サフと赤サフは膨らみました。
本来金サフは発酵延長をすべきですが今回は実験のため、3本を同時にオーブンに入れて焼成しましょう。
砂糖0%の時の焼成
砂糖0%のパンを青サフ・赤サフ・金サフで作った時の焼成の実験結果は次の通りです。

砂糖0%つまり砂糖の無いパンの焼成は、金サフはあまり膨らまず、赤サフが一番膨らみました。
青サフは金サフよりは膨らみましたが、赤サフほどは膨らみませんでした。
青サフにはビタミンCが入っていないためグルテンが強くできないため、赤サフのようには膨らみません。

全部白っぽいですね
そうですね、砂糖が入っていないためメイラード反応が起こらずパンに焼き色が付かないのです。
イーストをお試しで購入
このようにイーストは赤サフまたは金サフ両方あれば、どんなパンにも対応できますが、大袋を購入しても使いきれない方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、赤サフ(低糖性イースト)と金サフ(耐糖性イースト)各3gの個袋を10個セットになったこのような商品を買われると良いかもしれません。
イーストは冷凍保存をおすすめします。
青サフ赤サフ金サフは適材適所で使い分けましょう
赤サフ青サフ金サフの違いについて、実際にパンを焼きながら見てきました。
3つのイーストの違いは次の2つの違いです。
- 耐糖性か否か
- ビタミンCが入っているか否か
それぞれのイーストには特徴があってどんなパンを焼くかによってよりふさわしいイーストがあります。
耐糖性か否か | 入っているか否か | ビタミンCが||
耐糖性の別 | 適正に対応できる糖分率 | ||
青サフ | 低糖性 | 0~12% | ビタミンC 無 |
赤サフ | ビタミンC 有 | ||
金サフ | 耐糖性 | 5%以上 |
簡単に言うと・・・青サフはクロワッサンやデニッシュやフランスパンなどに、金サフは甘いパンに、赤サフは糖度12%以下の普通のパンに向いています。
適材適所でイーストを使い分けましょう


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