こちらはパン作りではちみつを使う効果についてご説明をする記事です。
はちみつは色々な効能がありますから、パン作りに使いたい方も多いと思います。
はちみつを使ってパンを作るとどんな効果があるんですか?
砂糖に代用してはちみつを使うパンを実際に焼いてみて、砂糖のパンとの比べてどんな効果があるのか検証してみましょう。
パン作り歴27年、パン教室を主宰して17年の私がパン作りではちみつを使う効果について、また砂糖に代用する場合の換算方法や注意点などについてわかりやすくご説明をします。
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パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う効果
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う場合次のような効果があります。
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う効果は次の通りです。
しっとりさ
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う場合の効果の一つ目は、砂糖のパンよりもしっとりと焼き上がりソフトさが持続することです。
これは実際にはちみつのパンを焼いてみて私もしっとりさを実感しました。
パンの水分は蒸発しやすい自由水と、パンの中にとどまる結合水に分かれ、結合水が多いとパンがしっとりソフトになるのです。
はちみつの20%は水分です
このはちみつの水分はほとんどが糖と結びつく結合水で、パンを焼成しても蒸発せず結合水としてパンの中にとどまるので、はちみつを使うとしっとりソフトに仕上がります。
焼き色
パン作りで砂糖に代用してをはちみつを使う場合の効果の二つ目は、焼き色がしっかり付く、です。
同じの糖分の砂糖のパンとはちみつのパンを焼き比べてみると、はちみつのパンの方が焼き色が強くつきました。
なぜはちみつパンの方が焼き色が強いんですか?
それは砂糖とはちみつのメイラード反応の違いによるものです。
上白糖は160℃、はちみつは110℃でメイラード反応が起きるので、はちみつパンの方が早い段階から焼き色が付き始め、同じ時間を焼成した場合、砂糖のパンよりはちみつパンの方が焼き色が強く付きます。
味
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う場合の効果の三つ目は、まろやかな甘味をしっかり感じる、です。
甘味を感じるかどうかは主観的なものですが・・・糖分調整して糖分を揃えたはちみつのパンと砂糖のパンを食べ比べてみると、私ははちみつの方がよりしっかり甘味を感じ、しかもその甘味にはまろやかさを感じました。
はちみつの主成分は果糖38%、ブドウ糖31%です
果糖は自然界で最も甘い糖類の一つであり、その甘さは砂糖(スクロース)よりも強いと言われています。
そのため、同じ量のはちみつと砂糖を比べた場合、はちみつの方がより甘く感じるのです。
カロリー・栄養価
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使う場合の効果の四つ目は、カロリーが少し低く、栄養価が高いことです。
100gあたりの砂糖とはちみつのカロリーや栄養価を比較してみましょう。
砂糖 | はちみつ | |
カロリー | 387kcal | 304kcal |
炭水化物 | 99.98g | 82.4g |
○糖類 | ○ 99.8g | ○ 82.1g |
・果糖 | ― | ・38% |
・ブドウ糖 | ― | ・31% |
タンパク質 | 0g | 0.3g |
ビタミン、ミネラルなど | ほとんどなし | 微量のビタミンC、ビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンなど |
はちみつの方がカロリーが低い!
そうですね。そしてはちみつの方が栄養価が高いので、健康的と言われています。
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使うときの換算方法
では、次にパン作りで砂糖に代用してはちみつを使いたい場合の換算方法についてお伝えしますね。
砂糖のg数をそのままハチミツに置き換えるんじゃダメなんですか?
砂糖とはちみつの糖分を理論的に比較すると、砂糖は99%が糖分ですがはちみつの全体の80%が糖分なので机上計算でははちみつを増やす必要があるのです。
またはちみつは全体の20%が水分なので、そのままハチミツにおきかえたのでは水分が多すぎてベタベタになってしまうため仕込水を減らさなければなりません。
例えばレシピに砂糖10gと記載がある場合、砂糖をはちみつに置き換える時は、次の2つを調整する必要があります。
レシピに砂糖10gと記載がある場合の具体的な換算方法 | |
①はちみつの分量を計算する | 10g÷80% ※1=12.5g |
②減らすべきパンの仕込み水を計算する | 12.5g×20% ※2=2.5g |
※1…はちみつの80%が糖分
※2…はちみつの20%が水分
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使ってパンを焼いた実験結果
砂糖の代わりにはちみつを使ってパンを焼くとどのようなパンになるのか、次のレシピで実際に焼いて比較してみましょう。
イーストは低糖性イーストを使っています。
砂糖10% | はちみつ12.5% | はちみつ25% | |
強力粉 | 100 | 100 | 100 |
イースト | 1.2 | 1.2 | 1.2 |
塩 | 2 | 2 | 2 |
砂糖 | 10 | 0 | 0 |
はちみつ | 0 | 12.5 ※1 | 25 |
水 | 67 | 67ー12.5×20%=64.5※2 | ※67-25×20%=62※2 |
無塩バター | 7 | 7 | 7 |
- ※1 はちみつは80%が糖分なので、砂糖と同じ甘さに調整するために、はちみつの分量を調整
- ※2 はちみつの20%は水分なのでその分の水を調整
砂糖のパンと比べてみると、はちみつのパンはメイラード反応が早くから出るので色が濃く焼き上がっています。
また、はちみつ12.5%のパンは砂糖のパンに匹敵するくらいよく膨らみましたが、はちみつを25%まで入れると膨らみにくいパンになっていることがわかります。
はちみつが多すぎると膨らまないんですね
そうなんです。
はちみつが10%前後でしたら砂糖と同じように発酵するのですが、20%を超えると浸透圧の関係でパンは膨らみにくくなってしまいます。
はちみつの分量が多いときは耐糖性イーストを使ってみると良いですね。
耐糖性イーストを使って実際にパンを焼いてみましょう。
耐糖性イーストはちゃんと膨らんでいますね!
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使うときの注意点
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使うときの注意点をまとめました。
砂糖に代えてはちみつを使ってパンを作ることができますし、はちみつを使う効果もあります。
ただはちみつのパンを作る時は次の点に気を付けなければなりません。
- はちみつの量を計算する
- はちみつの水分を減らす
- はちみつが多いときは耐糖性イーストを使う
- 焦げやすいので、必要に応じてオーブンの温度を下げる
はちみつの分量は好みで増減してよいと思いますよ
ただ、その時も必ず、仕込水の水分を減らしましょう。
パン作りではちみつを使う効果があります
パン作りで砂糖に代用してはちみつを使うときには次のような効果が認められます。
私は実際にはちみつのパンを焼いてみて一番効果が大きいと感じたのは「しっとりさ」でした。
はちみつのパンはしっとり焼き上がり、甘味もまろやかでとても美味しかったですよ。
はちみつをパン作りに上手にお使いくださいね。
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