こちらは賞味期限切れの古いイーストがパン作りに使えるかについてお伝えする記事です。
イーストには大きく分けて生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストの3種類があり、それぞれ賞味期限が違いますが、ここではご家庭でもっともよく使われるインスタントドライイーストについてご説明をしますね。
パン作りで使うイーストは毎回微量なので、ご家庭では使い切る前に賞味期限切れになってしまうケースもあるかと思います。
古くなっても使えますか?
そうですよね、その辺がとても気になるところですよね。
結論から申し上げると、賞味期限が切れたイーストでも1~2ヶ月は使える可能性がありますが、それはイーストの保存状態によります。
保存状態が悪いイーストは賞味期限内でも発酵力が落ちている場合が多いので、使えない場合もあるのです。
パン作り歴27年パン教室を主宰し17年の講師の私が、賞味期限切れの古いイーストはパン作りに使えるか、そしてイーストの保存方法や発酵力のテストの方法についてわかりやすく解説しますね。
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イーストの保存方法
賞味期限切れの古いイーストをパン作りに使えるか否かは、未開封か開封済かまたはどのような状態で保存していたかによって違ってきます。
なのでご自身がお持ちのイーストをどのような状態で保存していたかを把握するのが非常に大切です。
まず最初にイーストの適切な保存方法についてご説明しますね。
インスタントドライイーストの保存方法は未開封か開封済かで違うのです。
インスタントドライイーストの適切な保存方法は次の通りです。
未開封のイーストの保存方法
未開封のインスタントドライイーストの場合は「乾燥した冷暗所」で保存します。
つまり、直射日光などが当たらずまたガスコンロの近くでなければ「常温」で保存できるのです。
イーストは空気に触れることによって活動を始めますが、未開封のインスタントドライイーストは空気に触れていないので発酵をしていません。
よって常温保存が可能です。
ただし最近の真夏は40度超えの時もありますので、そのような場合は涼しい場所で保存しましょう。
スーパーでも常温コーナーに置いてありますけど冷房はきいてますものね
開封済みのイーストの保存方法
一方、インスタントドライイーストを一度開封した場合はイーストが空気に触れるので、その段階から少しずつ活動を始め発酵していくのです。
そして30℃前後の気温では更に活発に活動します。
もし、開封済みのインスタントドライイーストを常温保存した場合は、徐々に発酵しているので賞味期限内であっても発酵力が弱まってしまうのです。
よってその発酵を可能な限り止めるため開封済のインスタントドライイーストの保存は冷蔵または冷凍保存が望ましいです。
そしてイーストができるだけ空気に触れないように開封した口をきっちり閉め、更に密閉容器に入れましょう。
冷蔵と冷凍、どちらが良いですか?
私は「冷凍」をおすすめします。
冷凍保存のメリットは冷蔵保存より長く発酵力が維持できることです。
一方、インスタントドライイーストを冷凍保存するデメリットは、冷凍庫から出してから少しの間常温に置いて温度を常温まで上げなければなりません。
けれどイーストを使う分量はほんの数gなので、冷凍庫から出して常温に出しておけば他の材料を計量したり他の準備をしていればやがて常温に戻ります。
よって開封済みのインスタントドライイーストの保存は冷凍保存がおすすめです。
イーストをコンロの近くで保存していたら、かなり発酵力は弱ってますよ
未開封の古いイーストは使えるか
では次に未開封の古いイーストは使えるか、についてご説明します。
まずはイーストの賞味期限を知っておきましょう
インスタントドライイーストの賞味期限はメーカーによって差がありますが、未開封の状態でおおむね1~2年です。
主なメーカーごとの賞味期限は次の通りになります。
賞味期限 | タイトル |
賞味期限1年 | スーパーカメリヤ ドライイースト |
TOMIZ インスタントドライイースト | |
トップバリュー 手軽に使えるドライイースト | |
賞味期限2年 | サフ インスタントイースト(赤)(金) |
サフのみ賞味期限が2年で他のメーカーは1年です。
未開封で賞味期限が切れたイーストは使えますか?
未開封で適切な場所に保管できていた場合は賞味期限を1~2ヶ月を過ぎても使えると言われています。
賞味期限が過ぎたからといって急にイーストが使えなくなるわけではないのです。
開封済みの古いイーストは使えるか
次に開封済みの古いイーストは使えるか、についてご説明します。
イーストは開封すると空気に触れ酸化が始まり徐々に発酵力が弱まるのですが、保存場所によってそのスピードは違い目安は次の通りです。
開封済みインスタントドライイーストの保存場所 | 発酵力が維持できる期間 |
常温 | 開封後 1ヶ月間 |
冷蔵庫 | 開封後 半年間 |
冷凍庫 | 開封後 1年間 |
開封済で上の表の期間を過ぎたイーストは使えませんか?
開封済のインスタントドライイーストは賞味期限内であっても、上記の表の期間を過ぎたものは発酵力が落ちている可能性が高いです。
開封済の古いイーストを使った場合せっかくパンを焼いてもあまり膨らまないパンになってしまう可能性があります。
開封済の古いイーストを使うのはおすすめしません
もし、発酵力が怪しい?と疑問がある時はイーストが使えるか否かをテストする方法があるので、次にそのテストの方法をご説明しますね。
イーストの発酵力をテストする方法
イーストの発酵力は次のようにテストができます。
- 水・・・大匙2
- イースト・・・1g
- 砂糖・・・・・1g
上記材料をよく混ぜ、①その直後②3分後③10分後にその様子を見る
①テスト開始直後
水にイーストを溶かした段階で、生きているイーストは水に浮きやすく、死滅したイーストは沈みやすいです。
②テスト開始3分経過後
イーストが生きている場合は水に溶けたイーストが浮いて徐々に泡が出てきます。
一方、イーストの活力が無い場合は、顆粒のままそこに沈んでいく状態です。
③テスト開始10分経過
生きているイーストは表面のは細かい泡がたくさん出ています。
活力が無いイーストは相変わらず水の下の方に沈んだままです。
今回は死滅したイーストと活性化しているイーストを比べましたが、イーストが古く発酵力が落ちている場合は、活性化しているイーストと比べて圧倒的に泡が少ないので泡の量を目安にしてくださいね。
泡が全く立たない場合はイーストは死滅しているのでパンはまったく膨らみません。
泡の量が少ない場合は発酵力が落ちているのでパンがあまり膨らみません。
古いイーストは発酵力が落ちているかもしれません
古いイーストはパン作りに使えるか、をご説明してきました。
簡潔にまとめると次の通りです。
開封・未開封 | 賞味期限 | タイトル |
未開封 | 賞味期限内のイースト | メーカーによって1~2年 |
賞味期限切れのイースト | 適切に保存されていれば賞味期限が切れても1~2ヶ月使える | |
開封済 | 賞味期限にかかわらず | 保存状態によって1ヶ月~1年で発酵力が弱まる |
いずれも保存状態が悪ければその発酵力はかなり怪しくなっているので心配な場合はイーストの発酵力を調べるテストをしてみましょう。
また、古いイーストを使ってパンを作り始めたけれど、どうもパンが膨らまない・・と思うときは膨らまなくても大丈夫なピザ等にメニュー変更してくださいね。
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