こちらは、酸っぱくてかたいライ麦パンの美味しい食べ方、そして作り方の改善点をお伝えする記事です。
ライ麦パンは健康に良いと人気が上昇しているパンですが、ふんわりしたパンを好む人が多い日本人にとっては「酸っぱくて固くて食べずらい」というお声もあります。
ライ麦パンを美味しく食べる方法はありますか?
工夫をすればちょっと食べずらいライ麦パンを美味しく召し上がれますよ。
そして酸っぱくない、固くないライ麦パンを焼く方法もあるのです。
パン作り歴27年、パン教室を主宰して17年の講師の私がすっぱくて固いライ麦パンの美味しい食べ方と、酸っぱさや固さを軽減するライ麦パンの作り方についてお伝えします。
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ライ麦パンはなぜ酸っぱくて固いのか
まず最初にライ麦パンはなぜ酸っぱくて固いのかをご説明しますね。
ライ麦パンが酸っぱい原因
ライ麦パンが酸っぱい原因は、酵母にサワー種を使っているためです。
サワー種とはライ麦粉と水を合わせて培養して作る天然酵母で、イーストの代わりに使われます。
ライ麦パンは膨らみにくいのですが、天然酵母のサワー種を使うとサワー種の乳酸菌の力でライ麦パンが膨らむため、ライ麦パンにはよくサワー種が使われるのです。
サワー種は発酵力が強い反面、サワー種自体に酸味がありそれを使って作るパンは酸っぱくなります。
サワー種を使わなければ酸っぱくならないの?
その通りです。
イーストでライ麦パンを作った場合サワー種で作ったものより膨らまずまたパサつきがちですが、酸っぱさはありません。
また他にも酸っぱさを軽減する方法があります。
詳しくは後述しますね。
ライ麦パンが固い原因
ライ麦パンが固い原因は、ライ麦粉を材料に使っているためです。
ライ麦粉にはグルテンが含まれていないので、パンが膨らみにくく焼いた後は目が詰んでいるので固く感じます。
よってライ麦粉の比率が高ければ高いほど固いライ麦パンになるのです。
「固い」というより「ずっしり」という表現が合ってるかもしれません
パンが膨らむ仕組みはパン作りの工程でグルテンと呼ばれる細かい網目がパン生地の中に作られてその網目に発酵によって発生した炭酸ガスがたまってパン生地がふんわりとするのです。
ところが、ライ麦粉にはこのグルテンがないので膨らまず、結果的にずっしりと固いパンに感じてしまいます。
酸っぱくて固いライ麦パンを美味しく食べる方法
日本人にはお米を食べる文化がありその影響でふんわりと柔らかくほんのりと甘味のあるものを好む傾向があると言われ、ふんわりと柔らかい食パンに人気があるようです。
よって酸っぱくて固いライ麦パンは、敬遠されがちですがこの酸っぱくて固いという特性を生かして美味しく食べる方法があります。
酸っぱくて固いライ麦パンを美味しく食べる方法とは次の2つです。
ライ麦パンを美味しく食べる方法は次の通りになります。
ライ麦パンを薄く切る
酸っぱくて固いライ麦パンを美味しく食べる方法の一つ目は「薄く切る」です。
これは固いライ麦パンを美味しく食べるポイントになります。
一言でライ麦パンと言っても、パンの粉の量にどれくらいのライ麦粉を占めるかによってライ麦パンの固さは変わるのです。
ライ麦粉の比率が高ければ高いほどずっしりと固いライ麦パンになりますので薄くスライスをしましょう。
薄い、ってどれくらいですか?
ライ麦パンをカットする目安は次の通りです。
ライ麦パンの名前※ | ロッゲンブロート | ミッシュブロート | ヴィアイツェンミッシュブロート |
ライ麦粉の含有率 | ライ麦粉が90%以上 | ライ麦粉が50%の割合 | ライ麦粉が10%以上50%未満 |
スライスする厚さ | 4-5㎜ | 10㎜ | 15-18㎜ |
※ライ麦パンの名前の付け方
ちなみに、ライ麦パンはドイツでよく食べられる国民食的なパンですが、ライ麦の比率によってライ麦パンの名前が変わります。
ドイツ語の次の単語を組み合わせたものがライ麦パンの名前になっています
- ブロート…パン
- ロッゲン…ライ麦
- ミッシュ…混ぜる
- ヴィアイツェン……小麦粉
ライ麦パンにトッピングを乗せる
酸っぱくて固いライ麦パンを美味しく食べる方法の二つ目は「トッピングを乗せる」です。
サワー種を使って作ったライ麦パンは酸っぱいのでその酸っぱさを和らげるためにトッピングを乗せると美味しくなります。
どんなトッピングが合いますか?
具体的にはライ麦パンには乳製品がとてもよく合い、バターやチーズの脂肪分がライ麦パンの酸っぱさを和らげるのです。
私は特にクリームチーズやサワークリームをおすすめします。
17年間私が主宰するパン教室でライ麦粉の入ったパンを焼くときに、よくご紹介するライ麦パンの食べ方が、こちら↓です。
クリームチーズにドライクランベリーを刻んだものを混ぜ、それを薄く切ってトーストしたライ麦パンにたっぷり塗り、その上にクルミをトッピングしています。
更に極々少量の岩塩を振るとワインにも合うおつまみになるんですよ。
このようにトッピングを乗せてライ麦パンの酸味が和らぎとても美味しく召しあがれます。
酸っぱくないライ麦パンを作る方法
酸っぱくて固いと思われているライ麦パンですが、酸っぱくないライ麦パンを作る方法もあります。
次の2つの方法がありますよ
酸っぱくないライ麦パンを作る方法は次の2通りになります。
サワー種を使わずイースト菌を使う
酸っぱくないライ麦パンを作る方法の一つ目は、サワー種を使わずイースト菌を使う、です。
ライ麦パンの酸っぱさの原因はサワー種にあるのですから、サワー種を使わなければ確実に酸っぱさがなくなります。
簡単なこと!
サワー種の発酵温度を高くする
酸っぱくないライ麦パンを作る方法の二つ目は、サワー種の発酵温度を高くするです。
サワー種を使わなければ酸っぱくならないとは言え、そうなるとライ麦パンの良さが半減してしまう面もあります。
どうしてもサワー種を使いたい時は、サワー種を作る時の発酵温度を高く、具体的には30℃以上(32~37℃)に設定しましょう。
温度が高いと逆に酸っぱくなりそうです・・・
そう考えるのも無理はありません、発酵は一般的に温度が高いと酸っぱくなりがちですよね。
ライ麦パンのサワー種にはまろやかな風味を出す「乳酸菌」と酸っぱい味を出す「酢酸菌」の二つがあります。
低い温度で発酵するとこの酢酸菌が活発になってサワー種がすっぱくなってしまうのです。
まろやかな味が勝つように、サワー種の発酵温度を高くしましょう。
固くないライ麦パンを作る方法
酸っぱくて固いと思われているライ麦パンですが、固くないライ麦パンを作る方法もあります。
ライ麦パンが固くなる原因はグルテンが含まれないライ麦粉を使うので膨らまず、そのためにずっしりと固く感じるのです。
ライ麦粉の比率が少ないほどふんわり軽くなります
好みの差はありますが、日本ではライ麦粉のベーカーズ%(含有率)が20%くらいが美味しく感じる人が一番多いと言われています。
ライ麦パンを美味しくするのは食べ方と作り方次第
ライ麦パンは固くて酸っぱい、というお声が少なからずあります。
それがライ麦パンの良さでもあるのですが、日本人にはふんわりと柔らかいパンを好む傾向があるので工夫をして美味しく召し上がる方法をご紹介しました。
- 薄くカットする
- トッピングを乗せる
また、ライ麦パンを作る段階で酸っぱさや固さを軽減する方法もあります。
- 酸っぱくないライ麦パンを作るために
①サワー種を使わずイースト菌を使う
②サワー種を使うときはサワー種の発酵温度を30℃以上にして作る - 固くないライ麦パンを作るために
ライ麦のベーカーズ%(含有率)を減らす
工夫をしてお好みのライ麦パンを焼いて美味しく召し上がってくださいね。
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