こちらは、無塩バターの代わりに有塩バターを使ってパンを作る方法についてお伝えする記事です。
パン作りのバターは特に指定が無いときは無塩バターを使いますが、無塩バターの買い置きが無いときもありますよね。
無塩バターはパンやお菓子を作る時しか使わないので・・・
そうなんですよね、一般家庭に有るバターはたいてい有塩バターかと思います。
でも、大丈夫です。パン作りで無塩バターの代わりに有塩バターを使えますよ。
パン作り歴27年パン教室を主宰して17年の講師の私が、無塩バターの代わりに有塩バターを使ってパンを作る方法をお伝えしますね。
お急ぎの方はパンを作る時に無塩バターの代用で有塩バターを使う方法をご覧ください。
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有塩バターと無塩バターの違い
バターは塩分の有無によって次の二つに分かれます。
- 有塩バター・・・ 製造工程で塩分を添加した「加塩バター」
- 無塩バター・・・ 製造工程で塩分を添加しない「食塩不使用のバター」
有塩バターはメーカーによって若干の差はありますが1.5~1.6%の塩分が含まれるのです。
無塩バターの代用として有塩バターを使う場合この1.5~1.6% の塩分が必然的にパンの材料の中に入りますので、何の対処もしなければこの分の塩が多くなります。
有塩バターを使うと塩味が強くなるってことですか?
そうですね、それもあります。
でもパン作りにおける塩の役割は「味」以外にもありますよ。
では次に塩の役割を見てみましょうか
パン作りにおける塩の役割
パン作りにおける塩の役割は4つあります。
- 味を良くする
- グルテンを適度に引き締める→生地にコシを付けて扱いやすくする
- 微生物の繁殖を抑える→雑菌の繁殖を抑え発酵の速度を遅くする
- パンに焼き色を付ける
無塩バターの代用で有塩バターを使うと、塩分量が変わってくるのでこれらの役割に多少なりとも影響があります。
なので塩の分量を調整しなければならない場合もあるのです。
どうやって調整すればいいですか?
では次に、無塩バターの代わりに有塩バターを使うときの調整方法をお伝えしますね。
パンを作る時に無塩バターの代わりに有塩バターを使う方法
有塩バターに含まれる塩分量は1.5~1.6%なので、バターの分量が少ない場合はバターの中の塩分は微量なのでさほど影響はありません。
が、ある程度の量のバターを使う場合はバターに含まれる塩分が多くなり、パン作りに影響がでてパンが上手に焼けない時もあります。
バターの分量によって次の2通りの調整法があります
バターが5%以下である場合
バターのベースカーズ%が5%以下の場合、塩の分量は調整せずそのまま焼いて大丈夫です。
例えば次のような配合でパンを作るとします。
材料 | ベーカーズ% | g | 無塩バターの代わりに有塩バターを使う時の注意点 |
強力粉 | 100 | 200 | |
イースト | 1 | 2 | |
無塩バター | 5 | 10 | 有塩バターに代用すると10g×1.6%₌0.16gの塩が含まれる |
塩 | 2 | 4 | 有塩バターに含まれる塩が少ないので調整不要 |
砂糖 | 8 | 16 | |
水 | 65 | 130 |
この時の無塩バターを有塩バターで代用した場合、10g ×1.6%=0.16gの塩が有塩バターに含まれています。
なので厳密にはこの0.16gの塩を元の塩4gから除いて、塩の計量は3.84gにする必要があります。
0.16gくらい多くても・・・
そうですよね。
なので、バターのベーカーズ%が5%未満の場合は、さほど影響はないとみなして、調整せずにそのまま焼いてもOkです。
バターが5%超である場合
これに対してバターが5%の超の場合は塩の調整をしたほうが良いでしょう。
例えば次の配合の場合
材料 | ベーカーズ% | g | 無塩バターの代わりに有塩バターを使う時の注意点 |
強力粉 | 100 | 200 | |
イースト | 1 | 2 | |
無塩バター | 10 | 20 | 有塩バターに代用すると20g×1.6%₌0.32gの塩が含まれる |
塩 | 2 | 4 | 4-0.32=3.68gに調整が必要 |
砂糖 | 8 | 16 | |
水 | 65 | 130 |
この時の無塩バターを有塩バターで代用した場合、20g ×1.6%=0.32gの塩が有塩バターに含まれています。
この分を調整しないとパンに影響があるので、塩を元の4g から引いて3.68gに調整が必要です。
バターの含有量が多いので調整をしないと、味が悪くなるだけでなく発酵や焼き色にも影響がでてしまいます。
よって目安としてはバターのベーカーズ%が5%超の場合は塩分調整をしましょう。
有塩バターで作ったパンと無塩バターで作ったパンの違い
では有塩バターで作ったパンと無塩バターで作ったパンに違いはあるでしょうか。
両者は塩分調整をすれば塩味に変わりはありません。
食感については調整をしてもなお若干の違いがあり、有塩バターで作ったパンは微妙に小ぶりになるといわれています。
通常、パンをこねるときは塩は最初から全量を入れ、ある程度グルテンができてからバターを入れます。
ところが、有塩バターを使う場合有塩バターに含まれる塩分は「後入れ」になるのです。
塩のタイミングで食感が変わるんですか?
塩には発酵を抑制する作用があるので、原理的には後から入れた塩の効果で微妙にパンが小さくなります。
が、その食感の違いは食べ比べてみないとわからない範囲だと思います。
クロワッサン・デニッシュの折り込みバターは無塩バターで
パン作りで無塩バターの代用として有塩バターを使えますが、例外があります。
クロワッサンやデニッシュの折り込みバターはダメですよ有塩バターは使えません
クロワッサンやデニッシュに使う折り込みバターは大量のバターが必要ですし、またパン生地に練りこむものではありませんので、塩分調整ができないのです。
なので、クロワッサンやデニッシュの折り込みバターには無塩バターを使いましょう。
バターのベーカーズ%が多いときは厳密な対処が必要
無塩バターの代用として有塩バターでパン作りをする時の対処法を見てきました。
有塩バターの分量が多いときは元の塩の量を減らしましょう
その目安は次の通りです。
- バターが5%未満である場合・・・調整不要
- バターが5%以上である場合・・・【有塩バター×1.6%】gの塩分をのレシピの塩の分量から減らす
無塩バターの代わりに有塩バターを使うときでも美味しいパンを焼いてくださいね。
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