こちらの記事はパン作りを中断したい時に、どのタイミングでどのようにするのがよいのか、その中断方法をお伝えするものです。
また、ベストなタイミングではなくても中断せざるを得ないこともあると思いますので、工程別にその中断方法をお伝えします。

急に用事が入ってパン作りを中断したい時、あきらめて捨ててました
それはもったいない・・

パン作りは3時間くらいかかりますから、その間にお出かけする用事ができることってありますよね。
パン作りの工程には中断できるタイミングもありますので、適切なタイミングに適切な方法で中断の処理をして美味しいパンを焼きましょう。
ではさっそくパン作りの中断をするベストなタイミングや、工程別の方法をお伝えしますね。
パン作りを中断するベストなタイミングとその方法

パン作りを中断するベストなタイミングと方法は次の通りです。
パン作りの中断にベストなタイミング

パン作りを中断したい時、ベストなタイミングは一次発酵時です。
一次発酵をするときに中断せざるを得ない時は、ラッキーですよ。
パンの中断は工程によっては失敗することもあるのですが、一次発酵時の中断はパンの出来が悪くなることはまずありません。
むしろ低温長時間発酵ができてパンは普段よりも美味しく仕上がります。
一次発酵でパン作りを中断する方法

一次発酵でパン作りを中断するとき、冷蔵発酵に切り替えましょう。
一次発酵は多くの場合オーブンの発酵機能や発酵器を使うなどして、発酵温度を25~28℃に保って40~90分間パン生地を発酵させると思います。
この一次発酵のタイミングでパン作りを中断させたい時は、パン生地をきれいに丸めてタッパーに入れしっかり蓋をして冷蔵庫で発酵させます。
冷蔵発酵が終わると表面が乾いていることがあります

冷蔵庫の中は乾燥していますので、パンの表面を覆うようにふんわりとラップをかけて置くと良いですね。
通常、冷蔵発酵でパンを作る時は、普通の製法に比べてそのイーストの分量は1/3~1/2に減らします。
しかし今回は普通の製法でパン作りの材料の計量をしているので、通常の冷蔵発酵に比べて若干イーストの配合が多いです。
従って、発酵のスピードは通常の冷蔵発酵よりも早くなることを頭に入れておきましょう。
詳細はパンを冷蔵発酵させて焼いたときに膨らませる方法をご覧ください。
工程別パン作りを中断の可否とその方法

パン作りの中断のベストなタイミングは一次発酵時とお伝えしましが、必ずしも一次発酵で中断できるとは限りませんよね。
そこで次に、工程別に中断したい時どのようにすればよいかをお伝えします。
こね

こねている途中でパン作りを中断せざるを得ない時、材料をまんべんなく混ぜたら、タッパーに入れて冷蔵庫に入れ冷蔵発酵に切り替えましょう。

こねなくても大丈夫なんですか?
パン作りはハード系のパンを除いてグルテンができるまでよくこねるのが鉄則です。
でも余りこねていなくても冷蔵発酵で10時間くらいの時間を取れればグルテンは自然につながってきます。
なので、こねているときに中断するときは、タッパーにパン生地を入れて冷蔵発酵に切り替えましょう。
一次発酵

パン作りの一次発酵で、作業を中断するときは一次発酵でパン作りを中断する方法をご覧ください。
このタイミングが中断のベストのタイミングです。
分割・ベンチタイム

パン作りの分割・ベンチタイムで、作業を中断するときは、とりあえずすべてのパン生地の分割を終えて綺麗に丸め、粉を振ったトレイの上に丸めたパン生地を間隔をあけて並べましょう。

粉振り忘れたらトレイにくっついちゃいました💦
そしてそのトレイの四隅に高さのあるコップなどを置き、上からラップをかけてパン生地が乾燥しない状態にして冷蔵庫に入れてください。
作業を再開するときは、冷蔵庫から出して一度丸め直して常温に1時間ほど置いて温度を復活させてから成形します。
成形

パン作りの成形の段階では中断できませんので、すべて成形します。
時間が無かったら小型を作る予定でも大型パンに変更する、など手間の少ない成形方法に変更してもよいですね。
二次発酵

パン作りの二次発酵の段階で中断するときは、冷蔵発酵に切り替えます。
小型パンや型に入っていない大型パンの場合は天板に並べ、四隅にコップなど背の高いものを置きその上からラップをかけてパン生地が乾燥しないような工夫をして冷蔵庫に入れてください。
ラップが直接パンに触れてしまうと、焼成の時にラップを外しにくいので気を付けて。

冷蔵庫に天板が入り切るかが問題です・・・
食パンのように大きな型に入っているパンは、二次発酵で膨らむことを見越して余裕のある大きさのビニールで型ごとすっぽりと包み、上部に余裕を持って袋を閉じ冷蔵庫で発酵させます。
焼成

パン作りの焼成で中断するのは基本的にでません。
が、ピザの場合は「ブラウンサーブ」と言って、予定の焼成時間の半分くらいを焼く方法があります。
半分の時間を焼くことで、イーストの働きを止め二次発酵が過発酵になることを防げるのです。
用事が済んだら、このブラウンサーブのピザ生地にピザソースを塗って野菜などを散らしてオーブンでもう一度焼成すればよいのです。

ブラウンサーブ、メッチャ便利ですね
またブラウンサーブしたピザは冷凍できます。
その時は一枚一枚ラップで包んで更にジッパー付きのビニールに入れて乾燥しない状態で冷凍してください。
冷凍について

パン生地を作っているときに中断して冷凍できるか、というご質問が時折あります。
理論的にはパン生地の冷凍は可能です。
が、しかし家庭用の冷凍庫の多くは―18℃、と言われ業務用のそれが―40℃であることと比べると急速冷凍はできず、冷凍されていく途中でパン生地の組織が壊れやすくなります。
そうなるとたとえ冷凍はできたとしても解凍の段階で水分が出てしまって上手にパン生地の復活できないので、冷凍はおすすめできません。
パンが大きくなればなるほど、またハード系の生地であるほどそ冷凍は難しくなります。

パン生地を捨てるよりは良いですけど
パン作りの中断のベストのタイミングは一次発酵
パン作りの中断についてご説明してきました。
パンを作っていて中断するとき、ベストのタイミングは一次発酵の時です。
一次発酵で中断できれば冷蔵発酵に切り替えることが可能ですので、メリットも大きいです。

どんなメリットがあるんですか?
一次発酵で中断して冷蔵発酵に切り替えるメリットは次の通りです
- パン生地を無駄にしないで用事を済ませられる
- 長時間冷蔵発酵している間に小麦粉が水分を十分吸ってしっとりしたパンが焼き上がる
- 長時間冷蔵発酵している間に小麦粉のでんぷんが糖に代わって甘みがでる
詳細はパンを冷蔵発酵させて焼いたときに膨らませる方法をご覧くださいね。
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