メープルシロップでパンを作る方法|ハチミツや砂糖の代用方法

こちらはパン作りでメープルシロップを使いたい方に向けて、その使い方をご紹介する記事です。

レシピに、はちみつや砂糖の記載があってもそれらの代わりにメープルシロップを使いたい方も多いと思います。

YUKAさん
YUKAさん

はちみつ10gのところメープルシロップ10gにすればいいでしょ?

メープルシロップにもはちみつにも水分が含まれていますが水分の含有量が違いますので、そのまま置き換えたのでは上手にパンを作れません。

またメープルシロップと、はちみつや砂糖とは糖分の比率が違いますので糖分も計算し直す必要があります。

パン作り歴27年・パン教室を主宰して17年の私がはちみつや砂糖の代用としてメープルシロップでパンを作る方法についてご説明をします。

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目次

パン作りで砂糖の代用としてメープルシロップを使う場合

パン作りのレシピで砂糖と記載があるものをメープルシロップに代用する場合、どのような調整が必要かをご説明しますね。

メープルシロップの①糖分と水分の比率を知り、それから②砂糖に合わせる計算をしなければなりません。

メープルシロップの比率は次の通りです

まりな先生
まりな先生

(単位:ベーカーズ100%)

糖分率水分率
メープルシロップ66.3 % 33 %

次の砂糖を使うレシピを元に計算してみましょう

まりな先生
まりな先生

(単位:ベーカーズ%)

材料分量
強力粉100.0
イースト1.5
2.0
砂糖8.0
68.6
バター7.0

計算方法

砂糖をメープルシロップに代用する場合の計算は次のような方法で行います。

  • 砂糖と同じ条件のメープルシロップを計算する …… 8.0÷66.3%≒12g    下記レシピ参照 ※1 
  • メープルシロップの水分量を計算 …… 12×33%=3.96≒4g 
  • メープルシロップパンの水分量に換算 …… 68.6ー4=64.6  下記レシピ参照 ※2

この計算を元に砂糖をメープルシロップに置き換えたレシピに基づいて、実証実験を行ってみましょう。

実証実験

では砂糖をメープルシロップに代用してパンを焼いたらどうなるのか、実際に焼いてみましょう。

レシピ

先ほど計算した数値で作ったレシピがこちらのレシピです。これで砂糖と同じ糖分、水分のメープルシロップのレシピになりました。

(単位:ベーカーズ%)

タイトル砂糖のパンメープルシロップのパン
強力粉100.0100.0
イースト1.51.5
2.02.0
砂糖8.00
メープルシロップ012.0 ※1
68.664.6 ※2
バター7.07.0

このレシピを元にパンを焼く実証実験を行います。

一次発酵

砂糖をメープルシロップに置き換えてパンの焼き比べをした結果、一次発酵は次のような結果になりました。

パン作りにおける材料のメープルシロップと砂糖の違いを考察するための実証実験の結果。
一次発酵が終わった段階で砂糖もメープルシロップもほぼ同じ膨らみ具合。
original photographic evidence
YUKAさん
YUKAさん

ほぼほぼ同じ膨らみ加減ですね

そうですね、ほとんど同じ進み具合で一次発酵が終わりました。

このまま、分割・ベンチタイムをして二次発酵に進みましょう。

二次発酵

砂糖をメープルシロップに置き換えて計算してパンの焼き比べをした結果、二次発酵は次のような結果になりました。

パン作りにおける材料のメープルシロップと砂糖の違いを考察するための実証実験の結果。
二次発酵が終わった段階でメープルシロップの方が少し膨らんでいる状態。
original photographic evidence
YUKAさん
YUKAさん

若干メープルシロップの方が膨らんでますか

そうですね。

メープルシロップのパンは膨らみにくいとか逆に発酵が進み過ぎるということを聞きますが、しっかり計算すればメープルシロップのパンもちゃんと膨らみます。

ではこのまま同時に焼成しましょう。

焼成

砂糖とメープルシロップのパンを焼き比べた結果は次の通りです。

パン作りにおける材料のメープルシロップと砂糖の違いを考察するための実証実験の結果。
焼成が終わった段階で砂糖もメープルシロップもほぼ同じ膨らみ具合。
original photographic evidence

メープルシロップの方が若干焼き色が濃いですね

まりな先生
まりな先生

砂糖のパンとメープルシロップのパンを比べると、最終的に膨らみ加減はほぼ同じですが、メープルシロップのパンの方が少し焼き色が濃くなりました。

これはメープルシロップにアミノ酸が含まれているので、糖分とアミノ酸が結合してメイラード反応が起きるためです。

砂糖とメープルシロップのパンの食べ比べをしたところ、味に差を感じるほどの違いがありませんでした。

もっと含有率を高くすると、色や香りに少し差は出てくるかもしれませんが、10%前後では顕著な味の違いはありませんでした。

YUKAさん
YUKAさん

もっとメープルシロップの味がすると思ったのに・・・

メープルシロップの味を強く感じたいのであれば、粒ジャムやメープルシロップのシートを使うと良いですね。

ただ、それらはメープルシロップ風味であって、メープルシロップの純度があまり高くないかもしれませんので確認が必要です。

純粋にメープルシロップを堪能したい方は焼き上がったパンに直接かけましょうか。

パン作りではちみつの代用としてメープルシロップを使う場合

次にパン作りのレシピでハチミツと記載があるものをメープルシロップに置き換える場合、どのような調整が必要かをご説明します。

まず、ハチミツとメープルシロップの糖分率と水分率については次の通りです。

(単位:ベーカーズ%)

糖分率水分率
メープルシロップ66.3 % 33 %
はちみつ81.980 % 100-80 ≒20 %

これは簡単に言うと100gのメイプルシロップには水が33g、100gのハチミツには水が20g、入っているということです。

YUKAさん
YUKAさん

確かにメープルシロップの方がサラサラしてますね

では具体的に、ハチミツのパンのレシピをメープルシロップに置き換えてみましょう。

計算方法

下の「はちみつパン」のレシピをメープルシロップに置き換えてみましょう。

(単位:ベーカーズ%)

材料はちみつパン分量
強力粉100.0
イースト1.5
2.0
はちみつ10.0
メープルシロップ0
67.0
バター7.0

はちみつをメープルシロップに代用するための計算は次の2段階に分けなければなりません。

はちみつをメープルシロップに代用する計算

はちみつ→ ①砂糖に換算→ ②メープルシロップに換算

① はちみつを砂糖に換算する

はちみつに含まれる糖分量を計算 …… 10.080%8g

はちみつに含まれる水分量を計算 ……  820%=1.6g

よってこのパンのレシピを砂糖で作ろうとすると、砂糖はは8g、水分は67.0g+1.6g=68.6g になります。

② ①で求めた砂糖をメープルシロップに換算する

はちみつと同じ条件のメープルシロップを計算する …… 8÷66.3%≒12g   レシピ参照 ※1 

メープルシロップの水分量を計算 …… 12×33%=3.96≒4g    

メープルシロップパンの水分量に換算 …… 68.6-4=64.6  レシピ参照 ※2

この換算計算を元に、はちみつをメープルシロップに置き換えて換算したレシピに基づいて、実証実験を行ってみましょう。

実証実験

レシピ

はちみつをメープルシロップに置き換えてパンを作った場合どうなるかの実証実験は、上の計算に基づいて換算した次のレシピで行いました。

(単位:ベーカーズ%)

タイトルはちみつパンメープルシロップ
強力粉100.0100.0
イースト1.51.5
2.02.0
はちみつ10.00
メープルシロップ012.0 ※1
67.064.6 ※2
バター7.07.0

一次発酵

メープルシロップとはちみつでパンを作ったときの一次発酵の結果は次の通りです。

パン作りにおける材料のメープルシロップとはちみつの違いを考察するための実証実験の結果。
一次発酵が終わった段階でメープルシロップの方がより膨らんでいる状態。
original photographic evidence

糖分も水分も同じ条件に揃えて焼いたはちみつのパンとメープルシロップを同じ条件で一次発酵させたところ上の画像の結果になりました。

YUKAさん
YUKAさん

メープルシロップの方が膨らんでませんか?

そうですね、はちみつのパンよりメープルシロップのほうが若干膨らみが大きいですね。

発酵の初期はちみつの方が膨らむのが早かったのですが、じっくり時間をかけて発酵させることでメープルシロップの発酵が追いついた感じです。

これはメープルシロップの成分に「メープルビオース」と呼ばれるフルクトシルオリゴ糖の一種があるためと考えられます。

実はこのメープルビオースにはダイエット効果も認められるんです

まりな先生
まりな先生

またメープルシロップにはアミノ酸も含まれていてパン作りのグルテン形成の一助になっているので、発酵したガスをしっかり保持できる作用も影響していると思います。

ではこのあとはちみつのパンもメープルシロップのパンも分割、丸めと進みましょう。

二次発酵

メープルシロップとはちみつのパンの二次発酵は次のような結果になりました。

パン作りにおける材料のメープルシロップと砂糖の違いを考察するための実証実験の結果。
二次発酵が終わった段階ではちみつの方がより膨らんでいる状態。
original photographic evidence
YUKAさん
YUKAさん

今度ははちみつパンの方が膨らんでる感じ

はちみつパンの方が発酵の進み具合が早かったですね。

このままメープルシロップもじっくり発酵をさせるとはちみつパンに追いついてくると思われますが、今回は比較のためにこのままオーブンにはちみつもメープルシロップも同時にオーブンに入れて焼いてみますね。

焼成

メープルシロップとはちみつパンを焼いた結果は次の画像の通りです。

パン作りにおける材料のメープルシロップと砂糖の違いを考察するための実証実験の結果。
焼成が終わった段階ではちみつもの方がより膨らんでいる。
original photographic evidence
パン作りにおける材料のメープルシロップとはちみつの違いを考察するための実証実験の結果。
焼成が終わった段階ではちみつの方がより膨らんでいる。また、メープシロップの方が焼き色が濃い。
original photographic evidence
YUKAさん
YUKAさん

はちみつパンの方が膨らんでますね

そうですねメープルパンも膨らんでいますが、はちみつのパンには及ばないですね。

メープルシロップパンの方が発酵に時間がかかることがわかります。

でも焼き色はメープルシロップパンの方が若干濃くついています。

これはメープルシロップにメイラード反応を起こすためのアミノ酸が含まれているためです。

味の比較

食べ比べてみてどちらがはちみつでどちらがメープルシロップかわからない程度の差です。

ただパン生地のしっとり具合ははちみつの方がよりしっとりしていて、そのしっとり感は翌日以降も続いています。

メープルシロップの効果

ここで少しメープルシロップの発酵に及ぼす影響について考えてみましょう。

メープルシロップはから水分を取り除いたものはメープルシュガーと呼ばれ、このメープルシュガーにはメープルビオースと呼ばれるフルクトシオルオリゴ糖の一種が含まれています。

メープルシロップにおけるパンの発酵の仕組みを説明する図
オリジナルで作成。

このメープルビオースは糖の分解を阻害する働きをすると言われています。

YUKAさん
YUKAさん

そうすると何がどうなんですか?

要はメープルシュガーに含まれるメープルビオースは、メープルシロップを食べても糖の吸収作用を邪魔するのです。

その結果、糖の体内吸収を妨げメープルシロップのGI値(食後血糖値の上昇度)を低くしています。

メープルシロップにはダイエット効果がある、ってことです

まりな先生
まりな先生

以上の実証実験の結果から、メープルシロップの糖が分解されなくてもパンの発酵に影響がないのはアミノ酸が含まれてグルテンがしっかり形成されたり、オリゴ糖の一種が含まれていたりするためだと私は考えています。

メープルシロップでパンを作る方法

はちみつや砂糖に代えてメープルシロップを使いたい方に向けて、その使い方をご説明してきました。

糖分量や水分量が違いますので、レシピの分量をそのまま置き換えるのではなく、適正に計算し直すとメープルシロップでも上手にパンが焼けると実証実験から証明されました。

ただメープルシロップを砂糖の代わりに使っても、メープルシロップの風味をほとんど感じません。

なので、メープルシロップのお味が好きな方でメープルシロップ味を堪能したい方は、焼き上がったパンに直接メープルシロップを掛けるとよいでしょう。

YUKAさん
YUKAさん

追いメープルシロップ!

メープルシロップには「メープルビオース」と呼ばれるフルクトシルオリゴ糖の一種があるため、糖を分解しにくく、体内に糖を取り込みにくい低GI食品であるということはあまり知られていません。

パン作りの材料の砂糖が気になる方はメープルシロップを積極的に取り入れると良いですね。

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