こちらは、パン作り初心者の方に向けて手作りパンが膨らまない原因と対処法をお伝えする記事です。
思ってたほどパンが膨らまなくてがっかり・・・
初心者の方でも、一つひとつの工程ごとにポイントを押さえれば膨らむ手作りパンを作れますよ。
パン作り初心者の方でも、膨らむ美味しいパンを作れるようにパン作り歴27年パン教室を主宰して17年の講師の私が手作りパンが膨らまない原因と対処法を丁寧にお伝えしますね。
本記事はアフェリエイト広告を利用しています
手作りパンが膨らまない原因
手作りパンが膨らまない原因は様々ですが、原因は一つではなくいくつかの原因が複合的に絡み合っている場合が多いです。
まずは原因を一つずつ見ていきましょう。
手作りパンが膨らまない原因は次の6つです。
手作りパンが膨らまない原因は次の通りになります。
レシピ
手作りパンが膨らまない原因の一つ目はレシピです。
世の中には無数のパン作りのレシピが出回っていますが、中にはパン作りにあまり慣れていない方が作ったと思われる配合や工程に疑問のあるレシピも有ります。
逆にプロが作るとうまくいくけれどパン作り初心者の方には難しいレシピもあるのです。
初心者向けのレシピで作りたいです
そうですね、家庭でのパン作り用に作られた初心者向けのレシピを使って膨らむパンを作りましょう。
またメロンパンのようなアレンジパンを作りたくなるお気持ちも十分わかりますが、まずはシンプルなパンから挑戦するのが良いですね
計量
手作りパンが膨らまない原因の二つ目は計量です。
レシピは良いレシピであったとしても計量にミスがあっては膨らむパンは焼けません。
手作りパンが膨らまない原因として特に影響が大きいのは
- 小麦粉
- 水分
- イースト
- 塩
になります
材料はすべて正しく計量する必要がありますが、この4つは特に気を付けてくださいね。
またイーストと塩は微量を計量する必要があるので、最小単位1gの計りでは誤差が大きくなりすぎます。
材料
手作りパンが膨らまない原因の三つ目は材料です。
パン作りの材料によってはパンの膨らみを左右するものがあります。
例えば小麦粉にはグルテンが多くできるものとできないものがあり、グルテンの量が多いほどパンはふわふわに膨らむのです。
またイーストの状態によっては、パンが膨らまないケースもあります。
そして砂糖の分量によってもパンの膨らみは変わってくるのです。
このように材料の内容によってはパンが膨らまない原因になるものがあります。
こね方
手作りパンが膨らまない原因の四つ目はこね方です。
パンをこねる目的は、発酵で発生する炭酸ガスをパン生地の中に抱き込むための適切なグルテンを作ることにあります。
このグルテンの量によってパンの膨らみも変わってくるのです。
こね方によってはグルテンの量も変わり、手作りパンが膨らまない原因になります。
発酵
手作りパンが膨らまない原因の五つ目は発酵です。
発酵を適切にしないとパン生地の中にガスが保持されないで、膨らまず小さいパンになってしまいます。
発酵には一次発酵と二次発酵がありますが、両方の発酵の工程が適切にされないとパンは膨らみません。
発酵不足でも過発酵でもパンは膨らまなくなりますよ。
焼成
手作りパンが膨らまない原因の六つ目は焼成です。
焼成の手前まで完璧でも焼成を失敗すると、すべてが台無しになってパンが膨らまない場合があります。
特に予熱忘れはパンが膨らまない原因になるのです。
手作りパンが膨らまない対処法
手作りパンが膨らまない対処法は次の8つです。
手作りパンが膨らまない対処法は次のとおりになります。
家庭製パンのプロのレシピを選ぶ
手作りパンが膨らまない対処法の一つ目は家庭製パンのプロのレシピを選ぶです。
パン作りのレシピは無数にありますが、配合だけを見てもちょっとバランスの崩れたものや、プロが作れば絶対に美味しいパンになるけれどレベルがパン作り初心者にはレベルが高い、と思えるものもあります。
できれば家庭製パンのプロが組み立てた初心者に向けて作ったレシピでパン作りをされることをおすすめします。
家庭製パンのプロかどうかはどうすればわかるんですか?
レシピの出展者の経歴をご覧になれば大体わかると思いますよ。
そしていつも安定して膨らむパンを作るためには、良いレシピを見つけたらその一つのレシピを繰り返し繰り返し作り込むと良いです。
手作りパンが膨らまない対処法として、家庭製パンのプロのレシピを選びましょう。
正しい計量をする
手作りパンが膨らまない対処法の二つ目は正しい計量をするです。
パン作りにおいて計量はもっとも大事な工程で、計量をミスしては他の全てが完璧でも膨らむパンは焼けません。
計量は計量カップと計量スプーンでよいですか?
計量カップと計量スプーンでは誤差が大きくなりすぎ、失敗の原因となります。
特に塩とイーストに関しては微量を計量しなければなりませんので、膨らむパンの材料の計量には最小計量単位0.1gの計りを使い正確に計量しましょう。
適切な材料を使う
手作りパンが膨らまない対処法の三つ目は適切な材料を使うです。
適切な材料の具体例は次の通りです。
適切な材料の具体例は次の通りです。
タンパク質が多い小麦粉
膨らむパンを焼くための適切な材料の一つ目はタンパク質の多い強力粉を使うです。
小麦粉にはいろいろな種類があってそれぞれの特徴は次の通りです。
小麦粉の種類 | タンパク質の含有量 | パン作りに適しているか | ふわふわ度 |
薄力粉 | 6.5~8.5% | × | × |
準強力粉 | 8.5~11.5% | ハード系〇 | △ |
強力粉 | 11.5~13% | ソフト系〇 | 〇 |
タンパク質の含有量が多い強力粉を使う方がより膨らむパンを焼けます。
ここから下↓は上記の表の説明ですので飛ばして次の項目(新鮮なイースト)に飛んでもOKですよ
パン作りに使われる粉は準強力粉と強力粉になりますが、よく膨らむパンを作りたい場合は強力粉の中でもタンパク質量の多いものを選んでくださいね。
どうしてたんぱく質量が多い方がいいんですか?
たんぱ質の中にある「グルテニン」「と「グリアジン」が「水」と絡み合って「グルテン」を作ってくれます。
パン作りのこねの工程でこのグルテンが作る網目構造に水がたっぷりと入り込んで(結合水といいます)ふわふわのパンに仕上がるので、グルテンが多いほどふわふわのパンになるのです。
たんぱく質が多い方がグルテンもたくさんできますよ
よって、膨らむパンを焼くための適切な材料には、タンパク質の含有量の多い強力粉を使いましょう。
ただし、ハード系のパンの場合はタンパク質の含有量があまり多くない準強力粉が良いですよ。
新鮮なイースト
膨らむパンを焼くための適切な材料の二つ目は新鮮なイーストを使うです。
イーストは古くなるとパンがよく膨らみません
イーストにはいろいろな種類がありますが、ご家庭では管理しやすいインスタントドライイーストを使う方が多いと思います。
インスタントドライイーストは未開封の時は常温保存でよいのですが、開封後は冷蔵庫または冷凍庫で密封して保存をしなければなりません。
常温の保存では、発酵力がどんどん落ちて2ヶ月もたつとパンが膨らみにくくなてきます。
そして冷蔵保存は半年、冷凍保存は一年で使い切りましょう。
膨らむパンを焼くための適切な材料には、適切な状態で保存された新鮮なイーストを使ってくださいね。
適量の水分
膨らむパンを焼くための適切な材料の三つ目は適量の水分です。
小麦粉によって給水される水分量には違いがありますので、一概に何%の水分量が適切とは言い切れませんが水分量が少ないと膨らまない固いパンになってしまいます。
じゃあ、水をたくさん入れてみます
YUKAさんそれはダメですよ。パン作り初心者の方にとって高加水のパンはベタベタで成形しにくく、焼成時に形が崩れやすく膨らみが悪くなります。
それに小麦粉に入り込めなかった水分(自由水といいます)は蒸発するだけなので水分が多ければ多いほど良いというわけではありません。
したがって膨らむパンを焼くための適切な材料には、適量の水分が必要となります。
適量の砂糖
膨らむパンを焼くための適切な材料の四つ目は適量の砂糖です。
パン作りに砂糖は必要不可欠なものではありませんが、砂糖を入れることによってパンがより膨らむパンになります。
砂糖をたくさん入れてみます!
いいえYUKAさん、砂糖が多すぎると今度は発酵を邪魔して膨らまなくなってしまうので適量に納めなければダメなんです。
もし砂糖を20%以上入れるようでしたら、「耐糖性イースト」を使うことをおすすめします。
砂糖の量のおおよその目安は次の通りです。
パンの種類 | 食パン系 | 総菜パン系 | 甘い菓子パン系 | ハード系 | セミハード系 |
砂糖の割合の目安 | 5~10% | 10~20% | 20~30% | 0% | 3% |
また砂糖は水とくっついて水を保持する保水性があるのでパンに入れると焼き上がりがしっとりとしますよ。
そして砂糖を入れることでメイラード反応がありパンを焼いたときに綺麗な焼き色が付くので、砂糖を入れずに焼いたときより焼成時間が短く済むため、水分の蒸発が少なく済んでパンのふわふわが続きます。
したがって膨らむパンを焼くための適切な材料には、適量の砂糖が必要となります。
油脂を入れる
手作りパンが膨らまない対処法の四つ目は油脂を入れるです。
パン作りにおいてバターのような油脂を入れるとグルテンに膜ができて、発酵の時にできた炭酸ガスを保持してパンが膨らみます。
この時ある程度パンをこねてから油脂を入れるのがポイントです。
なぜ最初から入れてはいけないんですか?
油脂はグルテンの形成を阻害しますので、グルテンができてから油脂を入れないとパン生地にグルテンができなくなるのです。
グルテンがある程度できたパン生地に油脂を入れてからパンを更によくこねると、グルテンが再び形成されてそのグルテンにバターの膜ができてパン生地の伸展性と保湿性もよくなります。
そして膨らむパンを焼けますし、翌日以降もふわふわを保って時間がたってもパサつくのを防いでくれるのです。
手作りパンが膨らまない対処法として、パン生地をある程度こねてグルテンができてから油脂を入れましょう。
しっかりこねる
手作りパンが膨らまない対処法の五つ目はしっかりこねるです。
パンはこねる工程でできたグルテンという網目の膜に、発酵によって発生した炭酸ガスが保持されてふわふわに膨らみます。
グルテンが無いとパンは膨らみませんよ
パン生地はしっかりこねることによって、小麦粉に入っているタンパク質が水と結びついてグルテンを形成するのです。
手作りパンが膨らまない対処法としてしっかりこねてグルテンを作らなければなりません。
手こねが大変でしたらホームベーカリーのような機械を使ってこねてもよいですね。
一次発酵・二次発酵を適切に行う
手作りパンが膨らまない対処法の六つ目は一次発酵・二次発酵を適切に行うです。
パンが膨らむのは発酵のおかげですので、発酵がうまくいかないとパンが固くなります。
一次発酵がうまくいかなかったので二次発酵で頑張ります!
一次発酵の失敗を二次発酵で取り戻すのは難しいですよ。
一次発酵ではパン生地を膨らませるだけでなくパン生地に風味を付けたり膨らむ力を付ける役割もあるので、一次発酵で失敗したのち二次発酵で成功というのは無理があります。
手作りパンが膨らまない対処法として一次発酵・二次発酵は適切にしましょう。
発酵に時間をかける(低温長時間発酵)
手作りパンが膨らまない対処法の七つ目は発酵に時間をかける(低温長時間発酵)です。
パンの発酵方法に低温長時間発酵と言って冷蔵庫で12時間以上発酵させる方法があります。
パンが膨らむのは発酵によって発生した炭酸ガスがグルテンの網目構造に保持されるためなので、パンが膨らむにはグルテンが無くてはなりません。
このグルテンを小麦粉に含まれるたんぱく質から作りだすには、次の2つの方法があります。
- よくこねる
- 時間を置く
時間を置く、というのは発酵に他なりませんが、パンを膨らませるグルテンを低温長時間発酵で作るには6時間以上できれば12時間以上発酵したほうがより良いです。
冷蔵庫に入れてくださいね
そうして低温長時間発酵したパン生地はグルテンがつながっているので、炭酸ガスがしっかり保持されてしっかりと膨らむのです。
手作りパンが膨らまない対処法として低温長時間発酵がより良いですね。
予熱をして焼成する
手作りパンが膨らまない対処法の八つ目はオーブンの予熱をしてから焼成するです。
予熱をしないでオーブンにパン生地を入れると、設定の温度に上がるまでの間に時間がかかりその間にパンが乾燥してしまいます。
どうせ焼くんだから乾燥してもよくないですか?
乾燥するとパンが膨らまなくなってしまいますよ。
パン作りには、オーブンに入れた後急激に熱が加わることによってパン生地が60℃に達するまでイーストが最大限に働いて「釜伸び」と言われるパンが大きく膨らむ工程があるのです。
ところが予熱が無いと釜伸びする前にパン生地が乾いてしまって膨らまなくなってしまうのです。
手作りパンを焼くときはオーブンを設定温度までしっかり予熱をしてからパンを入れましょう。
良く膨らむ手作りパンを作れますよ
手作りパンはあまり膨らまない、というお悩みはよく耳にします。
手作りパンが膨らまない原因はいくつかありますので、その原因を一つ一つ丁寧にとりのぞいてあげると膨らむパンを焼けるのです。
これらのをポイントを押さえて手作りでも膨らむパンを作りましょう。
コメント