本記事では、パン作りの一次発酵の方法と手順について説明をいたします。
パンの一次発酵は大きく分けて、短時間(1時間くらい)で発酵させる方法と低温長時間発酵の方法の2つのやり方があります。

ここでは短時間で発酵する方法をご紹介しますね。
一次発酵の目的には次の2つがあります。
- パン生地を熟成させて味や風味をよくすること
- パンを膨らませる力を付けること
よって短時間といってもあまりに短くてはその目的を達することができないので最低30分は発酵させる必要があります。
そしてこの短時間の一次発酵には8つの方法があります。
- オーブンやレンジの発酵機能
- 発泡スチロール
- 衣装ケース
- クーラーボックス
- 二重ボウル
- 炊飯器やこたつなどの電化製品
- 室温
- 発酵機
これらを使う方法の詳細をご紹介します。
私もパン作り初心者の時は発酵機がなくまたオーブンの発酵機能は温度が高すぎて、いろいろな方法で一次発酵をしていた時期があります。
「また理科の実験?」子供たちに面白がられたものです。
そんな経験の中から、皆さまに簡単にできる短時間発酵の方法をお伝えしたいと思います。
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パン作り一次発酵の温度と時間の目安

一次発酵の温度と時間の具体的な目安は次の通りです。
- ソフト系のパン・・・28℃、40~90分
- ハード系のパン・・・24℃ 60~90分
パンは発酵温度が高ければ柔らかくなり、低ければ固くなる、という特性があります。

温度設定は
ソフト系は高め
ハード系は低め
ね!
一次発酵の時間は、様々な要因が複雑に絡んでその時々によって差が生じます。
例えば、パンのレシピによってイーストの含有率が高いものもあれば低いものもあります。
当然、イーストが多ければ早く発酵し、少なければ発酵に時間がかかります。
またこね上げ温度によっても一次発酵のスピードが変わってきます。

40℃で一次発酵、とレシピにありましたが、
40℃にしてもよいですか?

40℃では発酵が早く進みすぎます。
こね上げ温度がよほど低くない限りは
40℃で一次発酵をしないほうがよいです。
パン作り一次発酵の方法と手順

それでは、一次発酵の方法の具体的な手順を見ていきましょう。
一次発酵の手順は次の通りです。
生地を温かい場所に置いて発酵させる

一次発酵の方法の手順、一番目としてこね上げた生地は表面を張らせて綺麗に丸めてボウルやターッパー等に入れ、温かい場所に置きます。
温かいところに置くことによってイーストの働きが活性化されて一次発酵が始まります。
このとき、パン生地の乾燥を防ぐためにボウルにはラップをし、タッパーの場合は蓋をしましょう。


一次発酵が終わると生地は約2倍になります。
パン生地を置く温かい場所は、一次発酵に適した温度を一定時間維持できる場所が好ましく、次のような場所があります。
- オーブンやレンジの発酵機能
- 発泡スチロール
- 衣装ケース
- クーラーボックス
- 室温 (ただし、室温25℃以上の場合)
上記の他、次のような方法もあります。
2重ボウル

生地を入れたボウルにラップをし、一回り大きなボウルにぬるま湯(35℃くらい)を張ってその上にぷかぷかと浮かせます。
冬場はぬるま湯が冷えるのでお湯を替えましょう。
炊飯器の上、こたつ等の電化製品

炊飯器の上やこたつの中など家電製品で温かくなる場所で、一度温度計で計って適温(30℃前後)であれば使いましょう。
炊飯器は、炊飯中は温度が高くなりすぎるので保温状態の温度を確認してみましょう。
発酵機
発酵機という専門の道具があります。
発酵機は温度を安定して維持できる利点があります。
そして発酵機は24時間タイマーが付いています。
私はパン作り初心者の頃は発酵機を持っていませんでしたが、発酵機を使うようになって各段にパン作りが楽にそして上手になりました。
そしてパン作りを始めて数年経ち、イースト発酵のみに飽き足らず、天然酵母も作るようになりました。
その時に威力を発揮したのが最長24時間タイマーです。

なぜ天然酵母は24時間タイマーが必要なのですか?

イーストは発酵に時間がかかりませんが
天然酵母は2~3時間かかるのです。
そして天然酵母の種おこしは数日におよび、最長60分でタイマーが切れてしまっては困るのです。
麹とご飯を合わせて発酵機に入れておけば、数時間で麹発酵の甘酒をつくることもできます。

いつの日か天然酵母でパンを作りたくなる日を想定しておくと
後悔しないと思います。
また、発酵機は発酵すること以外は用途が無いので、パンを作らない時は場所をとってしまいます。
が、発酵機はなんと
- たたむことができる
- 簡単に組み立てられる
- 洗うことができる
という優れものです。
パンチをする

一次発酵の方法の手順、二番目として、パンチをします。
パンチは発酵時間の2/3が経過した頃に、パン生地を一度取り出してガスを抜く作業のことです。
容器からパン生地を出すだけでもガスが抜けますが、左右、上下と折りたたんでまた容器に戻し入れます。
ただし必ずしもすべてのパンにパンチが必要なわけではありません。

パンチをするパンかどうかがわかりません。

パンチはハード系のパンに多いですが
ソフト系でもあります。
パンチするかどうかはレシピに従いましょう。
パンチが終わった後は、一次発酵の続きをします。
発酵を見極める

一次発酵の方法の手順、三番目として一次発酵が終わったかどうかの発酵の見極めがあります。

発酵の見極めはレシピの時間ではなく、
パン生地の状態を見て判断しましょうね。
パンはその時の気温や生地の状態に応じて発酵のスピードが違うので、一概に時間で発酵完了を判断しきれません。
パン生地の大きさが約2倍になったころが、適正な一次発酵完了といわれています。
パンの一次発酵が終わったか否かを見極める方法にフィンガーテスト、というものがあります。

フィンガーテストは、人差し指に強力粉を付け、一次発酵が終わったと思われる生地にそっと差し込み引き抜きます。
このとき引き抜いた人差し指の跡がちょっと縮まる、またはそのまま残るような状態であれば発酵完了です。

その穴がぐっと小さくなっていくようでは一次発酵が足りませんので、一次発酵を続け、5分後に先ほどとは別の場所にフィンガーテストをしてみましょう。
逆に人差し指に穴から崩れていくようでは過発酵です。

一次発酵の失敗を
二次発酵で取り戻すことはできません。
一次発酵でしっかりと生地を熟成させて、パンが膨らむ力を養いましょう。
もし一次発酵が膨らまない場合は、何らかの原因があります。こちらをご覧ください。
一次発酵が終わったら、分割・丸めに進んでくだい。
パン作り一次発酵の成功の秘訣
一次発酵には、1時間前後で発酵を終わらせる短時間発酵によるものと、冷蔵庫などで発酵させる低温長時間発酵があります。
今回は短時間発酵のやり方をご紹介しました。
発酵機があれば安定発酵ができてとても便利ですが、無い場合はご家庭にあるものを駆使して一次発酵をしてみましょう。

一次発酵では
温度、湿度、時間に注意しましょう。
パンの種類に応じて適切な一次発酵の温度がありますのでそれを参考に適切な発酵をするのが、美味しいパンを焼くために必要な工程となります。
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