本記事ではご家庭でパンを作ったときに膨らまない原因と対処法を工程ごとにご紹介いたします。
パン作りでパンが膨らむ工程は、一次発酵時・二次発酵時・焼成時の3つです。
ご家庭でパンを作る方は、そのどこかの工程で「パンが膨らまない」経験を一度はされているのではないでしょうか。
私も何度も経験していますよ

その3つの工程でパンが膨らまない原因はさまざまです。
そしてその対処法はそれぞれの工程で似ているものもありますし違うものもあります。
では工程ごとにパンが膨らまない原因と対処法をお伝えしましょう。
「本記事ではアフィリエイト広告を利用しています」
一次発酵の時にパン生地が膨らまない

一次発酵をレシピの時間通りにしたのに、パン生地が思ったほど膨らんでいないのではないか?そんな疑いを持ったときは、まずはその発酵が正しく出来いるかどうかを見極めましょう。
見極め方

一次発酵が適切に膨らんだかどうかを見極める方法は2つあります。

どちらかの方法で見極めればよいですか?
両方で見極めしましょう!

一次発酵の見極め方法は次の通りです。
見た目が約2倍になっている
一次発酵が適切にできている時パン生地は一次発酵前に比べると約2倍の大きさに膨らんでいます。

↓ 2倍の大きさになる

上の写真のように一次発酵前の大きさに比べると一次発酵完了時はほぼ2倍の大きさになっています。
フィンガーテストをする

見た目が約2倍になったと思われたら、フィンガーテストをしてください。
フィンガーテストは、指先に粉を付けてパン生地にそっと差し込んで指を引き抜き抜いてその穴の様子を観察します。
その指の穴がそのまま残るあるいは少しだけ縮むようなときは、一次発酵は適切です。
その場合は次の工程の「分割丸め」に進みましょう。

発酵が不足しているときはその指の穴がぐ~っと縮みます。
逆に過発酵になっている場合は指の穴が崩れてパン生地全体が縮んでしまうのです。
この場合は次の「原因と対処法」に進んでください。
原因と対処法

見極めた結果、一次発酵の過不足で膨らんでいない場合その原因を探さなければなりません。
一次発酵が膨らまない原因は多岐に渡りますが、主に次の原因と対処法が考えられます。
どこかに思い当たる節はありませんか?

原因の詳細 | 対処法 | |
イースト関係 | イーストの入れ忘れ | イーストを後入れし一次発酵をする |
古いイーストを使用 | メニューを変更する | |
保存状態の悪いイーストを使用 | ||
材料関係 | 材料の計量ミス | あと10分発酵を延長する |
ライ麦粉やグラハム粉の比率が高い | ||
バターなどの副材料の比率が高い | ||
こね方関係 | こねる時の打ち粉の使い過ぎ | あと10分発酵を延長する |
こね不足 | ||
こね上げ温度が低い | ||
発酵関係 | 発酵温度が低い | 温度を上げてからあと10分発酵を延長する |
過発酵 | メニューを変更する | |
パン生地が乾燥した | 湿度を上げてからあと10分発酵を延長する |
例えば膨らまない原因が上の表の「材料の計量ミス」に当てはまるのではないかと思ったときには、まずは「あと10分一次発酵を延長」します。
そして10分延長してみてもまだ膨らんでいないと思われる場合は、その後5分間隔で発酵を延長するのです。
5分間隔で延長してちゃんと膨らんだら次の工程の「分割・丸め」に進みましょう

もし5分間隔で30分以上延長しても膨らまない場合は、これ以上膨らまないと見切って次の工程の「分割・丸め」に進んでください。
一次発酵が膨らまない原因と対処法の詳細はこちらの記事にご紹介しています。
二次発酵の時にパン生地が膨らまない

二次発酵の時にパン生地が膨らんでいないのではないかと悩むことも多いのではないかと思います。
まずはその二次発酵が適切に膨らんでいるかどうかを見極めましょう。
見極め方

二次発酵の見極め方はソフト系パンとハード系パンでその方法では違います。
それぞれのパンにふさわしい方法で見極めをしましょう。
ソフト系パンの二次発酵の見極め方法

ソフト系のパンの二次発酵が適切にされているかどうかの見極めは次の2点を確認します。
- 生地の大きさ・・・成形後のパンの大きさが1.5~2倍になっている
- 生地の緩み具合・・・指でパンを押して離したあとに指の跡が少し残る
上記のいずれかに該当すれば二次発酵は適切に完了しているので次の工程の「分割・丸め」へ進みましょう。
発酵が適切でない場合は「原因と対処法」をご覧ください。
ハード系パンの二次発酵の見極め方法

ハード系のパンの二次発酵が適切にされているかどうかは次のように見極めます。
- 生地の緩み具合・・・指でパンを押して放したあとにその指の跡が3~5秒かけてゆっくりと元に戻る
上記のような状態であれば二次発酵は適切に行われているので、次の工程の「焼成」へ進みます。
指の跡がすぐに戻ってしまう場合は次の「原因と対処法」をご覧ください。
原因と対処法

二次発酵が膨らまない場合、二次発酵以前の工程に原因がある場合も多いようです。
二次発酵が膨らまない原因と対処法は次の通りです。
工程 | 原因 | 対処法 |
一次発酵 | 一次発酵が不足 | 10~20分二次発酵を延長する |
一次発酵が過発酵 | 二次発酵を早めに終わらせて焼成する | |
分割・丸め | 分割・丸めが上手く出来なかった | 10~20分二次発酵を延長する |
ベンチタイム | ベンチタイムで過発酵となった | 二次発酵を早めに終わらせて焼成する |
成形 | 成形で生地が荒れてしまった | 10~20分二次発酵を延長する |
二次発酵 | パン生地が乾燥した | 湿度を上げて10~20分二次発酵を延長する |
温度が低かった | 温度を上げて10~20分二次発酵を延長する | |
過発酵になった | すぐに焼成する |

成形が上手くいかなかったなと思って
二次発酵を10分間伸ばしてみました
もう焼いてもいいですか?
「見極め」がOKでしたら焼成しましょう

二次発酵を延長し過ぎると生地がダレて焼いたときに膨らまなくなるので気を付けましょう。
二次発酵が膨らまない原因と対処法はこちらの記事に詳しくご紹介しております。
パン作りの焼成の時にパンが膨らまない

パンを焼いたときに膨らまない場合、その原因は多岐に渡り今までのすべての工程において生じた可能性があります。
でもその中でもよくありがちな主な失敗の原因と対処法をご紹介しますね。
原因

焼いたときにパンが膨らまない主な原因は次の通りです。
- こね足りないことによるグルテン不足
- 一次発酵と二次発酵の過不足
- オーブンの不適切な温度管理(予熱不足など)
パンを焼いた後は、膨らまなかったパンをリカバリーして膨らませることはできません。
目が詰まった感は有りますがそのまま召しあがっても大丈夫です。
けれど過発酵になったパンは美味しくないのでちょっと工夫するとよいでしょう。
対処法

焼成時に膨らまなかったパンを美味しく食べる方法は次の通りです。
- 食パンやフランスパンなど・・・・そのまま食べてもOKです。美味しくない場合はラスクにしてみましょう。
- 菓子パンや総菜パンなど・・・・・そのまま食べてもOKです。
膨らまなかったパンはそのまま召しあがっても大丈夫ですよ。

膨らまなかったパンが翌日にになったらもっと固くなって美味しくなくなっちゃいました
そんな時もラスクにすると良いですよ

パンを焼いたときに膨らまない原因と対処法はこちらの記事に詳細をご紹介しております。
パンが膨らまない悩みを解決しましょう!

せっかくパンを作ったのに膨らまないんです
パン作りで最も頻繁に耳にするお悩みですね。
まずはこの「膨らまない」という状態は一次発酵なのか二次発酵なのかそれとも焼いたときなのか、それを明確にしましょう。
そしてその工程ごとに対処できる方法がありますから、リカバリーできるものはしてくださいね。
もしリカバリーできなくても、焼きたてでしたら美味しくいただけますしまたお味が良くないようでしたらラスクにする方法もあります。
そして次回のパン作りに今回の失敗を生かして膨らんだパンを焼きましょう!
コメント