本記事ではパンをレシピ通りに焼いたのに上手くいかない原因と対処法についてご紹介いたします。
パンをレシピ通りにオーブンで焼いたのに焦げてしまったり色がつかなかったり、という失敗はよくあることです。
上手く焼けない原因で最も可能性が高いものはオーブンの庫内温度が適切でないことですが、他にも考えられる原因があります。

生焼け?って思えるパンを焼いちゃいました。
ちょっとなら食べても大丈夫ですか?
焦げたパンはそのまま食べてもよいのですが、生焼けが疑わしいパンはなんらかの対処をして完全に火を通さなければなりません。
この記事ではレシピ通りに焼いたのに上手く焼けない原因と対処法をお伝えします。
そしてまた次回以降の対策として、自宅オーブンの適正温度を見つけて上手に焼く方法をご紹介いたしましょう。
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レシピ通りにパンを焼いても上手く焼けない原因

レシピ通りの温度と時間でパンを焼いたのに、焦げたり色が薄かったり上手く焼けない主な原因は次の通りです。
レシピ通りにパンを焼いたのに上手く焼けない主な原因は次の通りです。
オーブンの庫内温度の問題

レシピ通りの温度と時間でパンを焼いたのに上手く焼けない原因のうち、一番多いのがオーブンの庫内温度にあります。
たとえばレシピ通りの180℃設定で予熱をしても、オーブンには個体差があるので必ずしも180℃になるとは限りません。
特にガスオーブンと電気オーブンの差は顕著で180℃に予熱をした時にガスオーブンは180℃でも電気オーブンの実温は160℃、はよくあることです。
パンが予定より焦げたり色付きが悪い場合の自宅オーブンは次のような状態と考えられます。
- 焦げた場合・・・自宅のオーブンの温度が高すぎる
- 色付きが悪かった場合・・・自宅のオーブンの温度が低すぎる

先生のオーブンの180℃と私のオーブンの180℃が違うってありえないでしょ!?
YUKAさん、オーブンってそういうもんなんですよ

従ってレシピ通りの温度設定でパンを焼成するのではなく、自宅のオーブンの温度を適切に調整しなければならないのです。
オーブンの温度の調整方法は「パン作りの焼減率を元にオーブンの温度を知る」をご覧ください。
材料の計量ミス

材料の計量ミスをしたときも、焦げ過ぎたり色が薄くくなったりします。
例えば砂糖を間違って多く入れてしまった場合は焦げやすくなりますし、逆に入れるべき砂糖を忘れると焼き色が薄くなってしまうのです。
材料の計量ミスの時は発酵の段階で異常に気が付くかもしれませんね

もし焼成以前に材料の計量ミスが把握できていたら、例えば砂糖の入れすぎの場合は焦げやすいので温度を10℃下げる等の工夫をすると良いでしょう。
計量は正しく行うようにしてくださいね。
パン作りの計量方法についてはこちらをご覧ください。
パンの具材の水分

パンの中にジャムや餡、カレーなどを包み込むときにそれら具材の水分が多すぎるとその水分がパン生地に吸収されて色付きが悪く生焼けとなってしまうことがあります。
具材の水分は多すぎないように気を付けましょう。
発酵の失敗

また発酵が上手くいかなかった場合も、上手く焼けないことが多いです。

過発酵のパンがなんだか白っぽくて冴えないパンだったわ~
過発酵は糖分を使い切ってしまうので焼き色が付きにくくなります。
また発酵不足の場合は生地の目が詰んでいるので火が非常に通りにくく生焼けになりやすいです。
発酵は適切にしましょう。
発酵の方法についてはこちらの記事でご紹介をしています。
パン作り二次発酵の方法|時間と温度・湿度の目安と発酵の見極め
天板に置くパンの個数

天板に置くパンの個数が多過ぎると火通りが悪く、特にパンのサイドに色が付きにくくなります。

天板の大きさに対して適切な個数のパンを乗せて下さいね。
卵の塗り方

パンに卵を塗ってからパンを焼くとパンはこんがりと良い焼き色が付き艶が出ます。
このとき卵を塗る分量が多すぎるパンは焦げやすいです。
逆に卵の分量が少なかったり塗るのを忘れると色付きが悪くなります。

卵ってどれくらい塗ればいいんですか?
卵を塗るときはまずハケを卵液に浸し、ハケの表面だけでなく内部にも卵液をたっぷり浸潤させます。

そして卵液を十分吸わせた後は、ハケを容器の淵に何度かこすりつけて余分な卵液を落としてからパンに塗るようにしましょう。

卵液が滴るような状態でパンに卵を塗らないでくださいね。
焼きムラができて綺麗に焼けませんよ

上手く焼けなかった時の対処法

↑ 生焼けのパンを揚げパンにリメイク
レシピ通りの温度と時間でパンを焼いたのに上手く焼けなかった場合の対処法は次の通りです。
レシピ通りに焼いたのに上手く焼けなかった時の対処法は次の通りになります。
焦げた場合の対処法

レシピ通りの温度と時間でパンを焼いたにもかかわらず焦げ過ぎた場合は、小麦粉に火が通っているのでパンを食べることができます。
ただ焦げているので風味が悪くちょっと苦く感じるかもしれませんね。

焦げたパンはパサついて食べるのつらいわ~

そんな時はフレンチトーストにするとおいいしいですよ。
卵と牛乳の液に浸しますのでしっとりとします。
色付きが薄いの場合の対処法

小麦粉に火が通っていない可能性がある焼き色が薄い時には注意が必要です。
焼き色が薄くても小麦粉に火が通っているパンはそのまま食べることができます。
一方、小麦粉に火が通っていない生焼けのパンはそのまま食べることはできません。
火が通っていない小麦粉を食べると消化が悪くお腹を壊す可能性があると言われています。
まずは生焼けかどうかを判断してから対処法を施しましょう。

パンの色付きが悪い時にはパンが生焼けかどか判断するタイミングは2回ありそれぞれ対処法が違います。
パンが生焼けかの判断基準と生焼けの時の対処法は次の通りです。
オーブンから出した直後

レシピ通りの温度と時間でパンを焼き上げ、オーブンの扉を開けてパンを見た瞬間に「あら?焼き色が薄い?」と思う瞬間があるかと思います。
判断基準
その時は綺麗な軍手をはめてパンを一つ取り出して、オーブンの熱が逃げないようにオーブンの扉を閉めて、パンの底面をご覧ください。
焼き色がきれいについていればOKですよ

逆に白っぽかったら生焼けの可能が大きいと思います。

↑ パンの底面:左が生焼けの状態、右が適正に焼けている状態
まだ熱いパンは、カットすると断面がべちゃっと糊のようにつぶれてしまうのでカットして中を確認できません。
従ってそんな時はパンの底面を見て焼け具合をチェックするのです。
対処法
オーブンから出した直後のパンの裏面を見て白っぽく生焼けと判断したら、即座にオーブンに戻して焼成時間を延長しましょう。

焼き時間はどれくらい伸ばして大丈夫ですか?
小型パンでしたら3分以内、大型パンでしたら7分以内にしましょう。
焼成する時間が長すぎると、水分が飛び過ぎてパンがパサついてしまいます。
粗熱が取れた後

オーブンから出して時間が経ち粗熱が取れたパンが生焼けなのではないか?と心配になることも有ると思います。
判断基準
そのときはそのパンをよく切れるナイフでカットしてみましょう。
パンに熱が残った状態で切ると、生焼けでなくてもカットした断面が糊状になってしまうのでカットするタイミングに気をつけてくださいね。

ナイフにカットした面が張り付いてくるし
断面に触るとベタベタです
YUKAさんそれは生焼けだわ

生焼けのパンはカットした断面の一番下の部分に色がついておらず透明感があり、カットした面もベタベタしていて糊状によれた部分もあります。
これに対し適正に焼けているパンは、底面にも色がついていてカット面はきめが整って綺麗に切れるのです。

粗熱が取れたパンが生焼けだった場合は、この段階でオーブンに戻して焼き直しても上手くいきません。
他の方法でパンに完全に火を通してから食べましょう。
そのまま食べてはお腹をこわしてしまう可能性があるからです。
対処法
粗熱が取れたパンが生焼けだった場合の対処法は次の通りになります。
- フレンチトーストにする
- ラスクにする
- 揚げパンにする
粗熱が取れたパンが生焼けとわかったときはそのまま食べてはだめですよ。
再びオーブンに戻し入れても上手く焼けませんので、上記の方法で工夫して美味しく召し上がってくださいね。
パン作りの焼減率を元にオーブンの適正温度を知る方法

レシピ通りにパンを焼いたのに焦げたり色付きが悪かったりしたときにその原因が焼成の工程にあると思われるときは、オーブンの庫内温度を調べる必要があります。
冒頭でお伝えした通り、オーブンには個体差があり180℃設定といっても実際のオーブンの庫内温度は180℃とは限らないのです。
レシピで想定している温度と自宅オーブンの温度に差がある場合は、自宅オーブンの温度を調整しなければなりません。
このときどれくらいの温度にするのがよいかを調べる方法があります。
それが焼減率を利用して計算する方法です。
焼減率とは

焼減率とはパンを焼くことによって蒸発する水分の割合です。
そのためにはパンの焼成時に①焼成前の生地の重量と、②焼成直後のパンの重量を計らなければなりません。
そして焼減率は 次の算式で計算されます。
焼減率=(①焼成前の生地重量―②焼成後のパンの重量)÷ ①焼成前の生地重量×100
そしてこの焼減率はパンの種類によって次のような適切な率があります。
- フランスパン・・・22%
- 食パン・・・8~10%
- 菓子パン・・・10%
パンを焼いた後にこの焼減率を計り、適切な焼減率に該当すればその焼成温度と時間は正しいことになります。

焼減率計算をしたんですけど適切な率とは全く違う数字になっちゃいました
そのような場合、レシピの焼成時間は変えずに温度を調整して適切な焼減率になるようにしましょう。
焼減率を使って自宅オーブンの温度を算出する方法

では具体的例で焼減率を考えてみましょう。
レシピには次のような記載があります。
50gの丸めパン・・・・170℃12分焼成
まずはレシピ通りの温度と時間でパンを焼いてみてくださいね。
調整はそれからですよ



焼き上がり直後は47gでした。なんか白っぽいな~
ではそれで焼減率を計算してみて

(50g-47g)÷50×100=6%
丸めパンは菓子パンのカテゴリーなので適正な焼減率は10%です。
6%しか水分が減っていないYUKAさんのオーブンはもっと温度を上げて水分を飛ばさなければなりません。

そのパンは生焼けっぽいのでラスクにしちゃいます。
次のパン、180℃で12分焼いてみました!

今度のパンはいい感じね!
このパンの重さを計って焼減率を計算してみましょう


焼いた直後の重さは45gなので・・・
(50gー45g)÷50×100=10%
菓子パンの適正な焼減率10%に当てはまりました。
よってレシピには170℃12分とありますが、YUKAさんのレシピでは180℃12分が正しい温度設定、ということになります。
焼減率を用いて適正な温度を求めるときに大切なことはレシピの時間は変えてはいけないということです。

なぜ時間を変えてはいけないのですか?
レシピの時間を変えてしまうとパンが生焼けになったりパサついたりする危険性が高くなるからです。
レシピの焼成温度は変えても焼成時間は変えないようにしましょう。
自宅オーブンを使いこなしましょう
レシピ通りの温度と時間でパンを焼いたのに焦げてしまったり色付きが薄かったりとうまく焼けないことはよくあります。
それはオーブンの個体差があるために避けて通ることができないお悩みです。
焦げてしまったパンはパサついているとは思いますが食べられます。
でも生焼けになったパンはそのまま食べるとおなかを壊してしまう可能性があるので、フレンチトーストやラスク、揚げパンなどにして完璧に火を通してから召し上がってください。
そして次回そのオーブンでパンを焼くときは「焼減率」を使って自宅オーブンの適温を探しましょう。
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