こちらはご家庭でパンを作ったときに膨らまない原因と対処法を工程ごとにご紹介する記事です。
パン作りではパンが膨らむのは一次発酵時・二次発酵時・焼成時の3つの工程があります。
最終的に膨らめばいいでしょ?
それぞれの工程で適切にパンを膨らませないと美味しいパンにはならないんです。
この3つの工程でパンが膨らまない原因はさまざまですし、対処法もその時々に応じていろいろあります。
ではさっそくパン作り歴27年、パン教室を主宰して17年の講師の私が工程ごとにパンが膨らまない原因と対処法をお伝えしましょう。
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一次発酵の時にパン生地が膨らまない
一次発酵をレシピの時間通りにしたのに、パン生地が膨らんでいないのではないか?そんな疑いを持ったときは、まずはその発酵が正しく出来いるかどうかを見極めましょう。
見極め方
一次発酵が適切に膨らんだかどうかを見極める方法は2つあります。
どちらかの方法で見極めればよいですか?
両方で見極めしましょう!
一次発酵の見極め方法は次の通りです。
見た目が約2倍になっている
一次発酵が適切にできている時パン生地は一次発酵前に比べると約2倍の大きさに膨らんでいます。
↓ 2倍の大きさになる
上の写真のように一次発酵前の大きさに比べると一次発酵完了時はほぼ2倍の大きさになっています。
フィンガーテストをする
見た目が約2倍になったと思われたら、フィンガーテストをしてくださいね。
フィンガーテストは、指先に粉を付けてパン生地にそっと差し込んで指を引き抜き抜いてその穴の様子を観察します。
その指の穴がそのまま残るあるいは少しだけ縮むようなときは、一次発酵は適切です。
その場合は次の工程の「分割・丸め」に進みましょう。
発酵が不足しているときはその指の穴がぐ~っと縮みます。
逆に過発酵になっている場合は指の穴が崩れてパン生地全体が縮んでしまうのです。
この場合は次の「原因と対処法」に進んでください。
原因と対処法
一次発酵が膨らまない原因は多岐に渡りますが、主に次の原因と対処法が考えられます。
どこかに思い当たる節はありませんか?
原因の詳細 | 対処法 | |
イースト関係 | イーストの入れ忘れ | イーストを後入れし一次発酵をする |
古いイーストを使用 | メニューを変更する | |
保存状態の悪いイーストを使用 | ||
材料関係 | 材料の計量ミス | あと10分発酵を延長する |
ライ麦粉やグラハム粉の比率が高い | ||
バターなどの副材料の比率が高い | ||
こね方関係 | こねる時の打ち粉の使い過ぎ | あと10分発酵を延長する |
こね不足 | ||
こね上げ温度が低い | ||
発酵関係 | 発酵温度が低い | 温度を上げてからあと10分発酵を延長する |
過発酵 | メニューを変更する | |
パン生地が乾燥した | 湿度を上げてからあと10分発酵を延長する |
例えば膨らまない原因が上の表の「材料の計量ミス」に当てはまるのではないかと思ったときには、まずは「あと10分一次発酵を延長」します。
そして10分延長してみてもまだ膨らんでいないと思われる場合は、その後5分間隔で発酵を延長しましょう。
5分間隔で延長してちゃんと膨らんだら次の工程の「分割・丸め」に進んでください
もし5分間隔で30分以上延長しても膨らまない場合は、これ以上膨らまないと見切って次の工程の「分割・丸め」に進んでください。
一次発酵が膨らまない原因と対処法の詳細はこちらの記事にご紹介しています↓
二次発酵の時にパン生地が膨らまない
二次発酵の時にパン生地が膨らんでいないのではないかと悩むことも多いのではないかと思います。
まずはその二次発酵が適切に膨らんでいるかどうかを見極めましょう。
見極め方
二次発酵の見極め方はソフト系パンとハード系パンでその方法では違います。
それぞれのパンにふさわしい方法で見極めをしましょう。
ソフト系パンの二次発酵の見極め方法
ソフト系のパンの二次発酵が適切にされているかどうかの見極めは次の2点を確認します。
- パン生地の大きさ:成形後のパンの大きさが1.5~2倍になっている
- パン生地の緩み具合:指でパン生地を押して離したあとに指の跡が少し残る
上記のいずれかに該当すれば二次発酵は適切に完了しているので次の工程の「分割・丸め」へ進みましょう。
発酵が適切でない場合は「原因と対処法」をご覧ください。
ハード系パンの二次発酵の見極め方法
ハード系のパンの二次発酵が適切にされているかどうかは次のように見極めます。
パン生地の緩み具合:指でパン生地を押して放したあとにその指の跡が3~5秒かけてゆっくりと元に戻る
上記のような状態であれば二次発酵は適切に行われているので、次の工程の「焼成」へ進みます。
指の跡がすぐに戻ってしまう場合は、一次発酵もしくは二次発酵が不足しているケースが多いです。
二次発酵の時間を延長しましょう。
数分後また指で押して緩み具合を確認してくださいね
その他の原因も考えられますので「原因と対処法」をご参考にしてください。
原因と対処法
二次発酵が膨らまない場合、二次発酵以前の工程に原因がある場合も多いようです。
二次発酵が膨らまない原因と対処法は次の通りです。
工程 | 原因 | 対処法 |
一次発酵 | 一次発酵が不足 | 10~20分二次発酵を延長する |
一次発酵が過発酵 | 二次発酵を早めに終わらせて焼成する | |
分割・丸め | 分割・丸めが上手く出来なかった | 10~20分二次発酵を延長する |
ベンチタイム | ベンチタイムで過発酵となった | 二次発酵を早めに終わらせて焼成する |
成形 | 成形で生地が荒れてしまった | 10~20分二次発酵を延長する |
二次発酵 | パン生地が乾燥した | 湿度を上げて10~20分二次発酵を延長する |
温度が低かった | 温度を上げて10~20分二次発酵を延長する | |
過発酵になった | すぐに焼成する |
過発酵の時はすぐ焼成、ですね!
そうですね
それ以外の時は発酵を延長しましょう
二次発酵を延長し過ぎると生地がダレて、焼いたときに膨らまなくなるので様子を見ながら延長します。
二次発酵が膨らまない原因と対処法はこちらの記事に詳しくご紹介しております。
パン作りの焼成の時にパンが膨らまない
パンを焼いたときに膨らまない場合、その原因は多岐に渡ります。
でもその中でもよくありがちな主な失敗の原因と対処法をご紹介しますね。
原因
焼いたときにパンが膨らまない主な原因は次の通りです。
- こねの作業が不足してグルテンができていない
- 一次発酵と二次発酵の過不足
- オーブンの温度管理ができていない(予熱不足など)
焼いても膨らまなかったときどうすればいいんですか?
焼成済のパンを膨らませる方法はなく、膨らまなかった分パンの内部の目が詰まってギッチリした感があると思います。
でも、小麦には火が通っているのでそのまま召しあがっても大丈夫ですよ。
ただ過発酵が原因で焼成時に膨らまなかったパンはかなり味が落ちるので、ちょっと工夫をした方が美味しく召しあがれると思います。
対処法
焼成時に膨らまなかったパンはそのまま食べても大丈夫ですが、ちょっと工夫をすると美味しいパンに変身する場合もあります。
食パンやフランスパンのように具材の入っていないパンは次のような工夫をして美味しく食べられるんです。
- ラスクにする
- フレンチトーストにする
ラスクは薄めに
フレンチトーストは厚めにカットしてね
パンを焼いたときに膨らまない原因と対処法はこちらの記事に詳細をご紹介しております。
パンが膨らまない悩みを解決しましょう!
せっかくパンを作ったのに膨らまないんです
パン作りで最も頻繁に耳にするお悩みですね。
まずはこの「膨らまない」という状態は一次発酵なのか二次発酵なのかそれとも焼いたときなのか、それを明確にしましょう。
そしてその工程ごとに対処できる方法がありますから、リカバリーできるものはしてくださいね。
もしリカバリーできなくても、焼きたてでしたら美味しくいただけますしまたお味が良くないようでしたらラスクやフレンチトーストにする方法もあります。
そして次回のパン作りに今回の失敗を生かして膨らんだパンを焼きましょう!
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