パンがちゃんと焼けたかどうか、その焼き加減が心配になる時もありますよね。
ある程度は見た目で判断もできますが、「焼減率」を計算するともっと正確に判断できるのです。
またその焼減率を利用して自宅オーブンの適正な焼成温度も導き出せます。
パン作り歴27年、パン教室を主宰して17年の講師の私が焼減率とはなにか、またその計算方法についてご紹介しますね。
「本記事ではアフィリエイト広告を利用しています」
焼減率とは
焼減率とは焼成の時にパン生地からどれくらいの水分が蒸発したかを示す割合です。
パンは焼成するときにオーブンの中で一定量の水分が蒸発し、その蒸発した水分量によって焼き加減や食感も変わってきます。
生焼けのパンは蒸発した水分量が少ないため焼減率が低く、焼きすぎてパサついたパンは水分が蒸発し過ぎているので焼減率が高いのです。
またレシピ通りに焼いても焦げたり色が付かないというお悩みがある時は、焼減率を用いて自宅オーブンの適正温度を算出もできます。
焼減率の計算方法
焼減率の計算のためにはパンの焼成時に①焼成前の生地の重量と、②焼成直後のパンの重量を計らなければなりません。
そして焼減率は 次の算式で計算されます。
焼減率=(①焼成前の生地重量-②焼成後のパンの重量)÷①焼成前の生地重量×100
焼減率の目安
そしてこの焼減率はパンの種類によって次のような目安があります。
- フランスパン・・・22%
- 食パン・・・8~10%
- 山形食パン・・・10~13%
- 菓子パン・・・10%
- あんパン・・・15%
- クロワッサン・・・15%
パンを焼いた後にこの焼減率を計り上記の焼減率に該当すればそのパンの焼き加減は適正です。
計算したら・・目安の焼減率になりませんでした
そのような場合、計算した焼減率の方が高ければ焼きすぎ、逆に低ければ焼き足りない、とみなされます。
次に焼くときはレシピの焼成時間は変えずに温度を調整して適切な焼減率になるようにしましょう。
焼成時間を変えないのがポイントです
焼減率の使い方の実例
では具体的例で焼減率を考えてみましょう。
レシピには次のような記載があります。
50gの丸めパン・・・170℃10分焼成
まずはレシピ通りの温度と時間でパンを焼いてみてくださいね
焼き上がり直後は47gでした。なんか白っぽいな~
ではそれで焼減率を計算してみて
焼減率=(①焼成前の生地重量-②焼成後のパンの重量)÷①焼成前の生地重量×100
(50g-47g)÷50g ×100=6%
丸めパンは菓子パンのカテゴリーなので適正な焼減率は10%です。
それに対し6%しか水分が減っていないこのパンは焼き足りない状態になります。
YUKAさんのオーブンはもう少し温度を上げて水分を飛ばした方が良いですね。
次の50gのパン生地、10℃上げて180℃で10分焼いてみました
今度のパンはいい感じね!
焼いた直後の重さは45gなので・・・
(50g-45g)÷50g×100=10%
菓子パンの適正な焼減率10%に当てはまりましたので、適正な焼成温度で焼けたことになります。
つまりレシピでは170℃で10分焼くようにと書いてあってもYUKAさんのオーブンでは180℃で10分焼くのが良いのです。
焼減率を用いて適正な温度を求めるときにレシピの時間は変えずに焼成温度を調整するのがポイントになります。
なぜ時間を変えてはいけないのですか?
レシピの時間を変えてしまうとパンが生焼けになったりパサついたりする可能性が高くなるからです。
調整するのは時間ではなくオーブンの焼成温度にしましょう。
焼減率はパンの焼き加減もオーブンの適正温度もわかる
焼減率についてご説明してきました。
焼減率とは焼成の時にパン生地からどれくらいの水分が蒸発したかを示す割合です。
パンの種類ごとに次のような目安がありますので、計算した焼減率が目安に当てはまっていればパンはちゃんと焼けています。
- フランスパン・・・22%
- 食パン・・・8~10%
- 山形食パン・・・10~13%
- 菓子パン・・・10%
- あんパン・・・15%
- クロワッサン・・・15%
もしこの目安の数値よりも低ければ焼き足りない、高ければ焼き過ぎとみなされますので、次回は焼成温度を調整しましょう。
そして当てはまったところが適正なオーブンの焼成温度となります。
焼減率はパンの焼き加減の判断をするだけでなく、ご自身のオーブンの適正温度を知るために使えると良いですね。
コメント