パン作りこね方の基本とコツ│初心者がパン生地を作る注意点

こちらの記事ではパンのこね方についてお伝えします。

パンのこね方によって仕上がりも随分と変わってきますので「こね」は大切な工程です。

そのパンのこね方はいろいろな方法がありますが、できるだけ労力少なくでも美味しくこねられる方法があればそれが良いですよね。

ポイントを抑えて、そしてコツをつかめばベーカリー並みに美味しいパンを焼けるようになりますよ。

パン作り歴27年パン作り講師歴17年の私が、初心者の方も上手にできるパン作りの生地のこね方の基本とコツそして注意点を丁寧にご説明しましょう。

フランスの専門学校ル・コルドンブルー卒業、製パンクラス上級デュプロムの資格を持っています

まりな先生
まりな先生

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目次

パン作りの基本のこね方

パン作りの基本のこね方の手順をご紹介しましょう。

以上が基本のこね方です。

では詳しく見てきましょう。

粉類と水を混ぜ合わせる

パン作りの基本のこね方のはじめの手順として粉と水を混ぜ合わせましょう。

粉類と水を合わせるときは、一気に水を入れないで少しずつ入れるのがポイントです。

粉類を混ぜ合わせる

正しく計量した粉類をちょっと大きめのボウルにすべて入れ、ゴムベラなどで粉類をよく混ぜ合わせます。

水を入れて混ぜる

粉に分量の水を少しずつ加えながらゴムベラで混ぜます。

粉に水を含ませるような気持ちでふんわりと。

ひとかたまりになるまで混ぜる

ひとかたまりになるまでゴムベラで混ぜます。

こね台に取り出す

ひとかたまりになった生地をこね台に取り出します。

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グルテンができるまでこねる

パン作りの基本のこね方の第2手順として、グルテンができるまでこねましょう。

圧力をかけてしっかりこねるのがポイントです。

パン生地をこね台にこすりつける

こね台に取り出したパン生地を、体重をかけて手で台にこすりつけるようにこねます。

こね台は対角線方向に使って長い距離をこすりつけましょう

まりな先生
まりな先生

こすりつけた生地を手前に折り返す

はじめはベタベタですが、向こうへ伸ばした生地は手でかき集めて手前に折り返します。

パン生地を再びこね台にこすりつける

手前に集めた生地を再び向こう側へ体重をかけてこすりつけます。

台の向こう側へこすりつけては手前に折り、また向こう側へこすりつける、を繰り返しましょう。

グルテンができてくると向こう側に伸ばした生地を楽に手前に折り返すことができるようになるので頑張って!

グルテンチェックをする

こね続けているとかなりグルテンが出てきますのでグルテンチェックをしてみましょう。

上の写真はパン生地を薄くのばしている途中で、切れてしまった状態です。

ソフト系のパンの場合はこねが足りません

ハード系のパンの場合はこのくらいがこね上げ終了の目安になります。

ハード系のパンはこれくらいでこね上がりの温度を計る工程へ進みましょう。また「パンをこねるときのコツ」も参考にしてくださいね。

こね足りない場合は更にこね続ける

ソフト系パンの場合は、まだコネが不足しているので、更にこねて強いグルテンを作っていきましょう。

利き手でパン生地をできるだけ長いストロークで台にこすりつけ、その時利き手でない方はパン生地が向こう側へ持っていかれないようにしっかり押さえておきます。

YUKAさん
YUKAさん

こすりつけるは疲れるので
つい短い距離になってしまいます

台に圧力をかけてこすりつけている間にグルテンができます。
だから長い方が効率的ですよ

まりな先生
まりな先生

再びグルテンチェックをする

パン生地が薄く伸びるように引きが強くなってきたら、一度グルテンチェックをしてこね具合を見てみましょう。

上の写真ではパン生地が伸びるようになってきたので、グルテンがしっかり形成されたことがわかります。

この段階では理想のグルテンの2/3くらいが出来上がっているくらい、というイメージです。

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バターを入れて更によくこねる

パン作りの基本のこね方の第3手順として、バターを入れてさらによくこねましょう。

バターを入れてからも、こすりつけて折り返すを繰り返ししょう。

バターを生地で包み込む

パン生地を広げてバターを包み込みましょう。

このときのバターは少し常温において、指で押したときに指の跡が付くくらいの固さです。

冷蔵庫から出したては固すぎますし、レンジなどで溶かしたバターは柔らかすぎます。

ドレッジでバターを生地に切り込んでいく

バターを入れて最初のうちはなじみにくいので、ドレッジなどで切り込むように入れこんでいきます。

こすりつけ→折り返し→こすりつけ、を繰り返す

バターを生地に切り込んで入れたら、再びパン生地を台にこすりつけます。

バターを入れることによって生地が滑らかになり、伸展性もよくなります。

こね台向こう側に伸ばしたら手前に折り返します。

折り返した生地は再びこすりつけて伸ばします。

このときも、できるだけ長い距離をこすりつけるようにします。

繰り返ししっかりとこねていくと、一度は分離したようになった生地が滑らかにつるりとしてきます。

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グルテンチェックをする

パン作りの基本のこね方の第4手順として、グルテンチェックをしましょう。

グルテンチェックは両手の中指と薬指の腹を使ってパン生地を徐々に薄くのばして、パン生地がどれくらい伸びるか確認する方法です。

強いグルテンがしっかりできるとこのようにパン生地を薄くのばしても生地がなかなか切れません

ソフト系パン生地のこね上がりの目安です。

しっかりしたグルテンは
炭酸ガスをしっかり保持してパンを膨らませてくれます

まりな先生
まりな先生

こね上げ温度を計る

パン作りの基本のこね方の最後の手順として、パン生地を綺麗に丸めたらこね上げ温度を計りましょう。

こね上げ温度の目安は次の通りです。

  • ソフト系パン:26~28℃
  • ハード系パン:24℃前後

パンをこね終わったら発酵容器に入れてから、一次発酵に進みましょう。

またこね上げ温度が予定とはずれてしまった場合の対処方法はこちらをご覧ください。

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パンをこねるときのコツ

「パン作り基本のこね方」の手順でこねると、初心者の方でもとても良いパン生地を作ることができます。

が、次のコツを取り入れると、もっと楽にそしてもっと良い生地をこねることができますので、よろしかったら参考にしてみてください。

ではパンをこねるときのコツをご紹介しますね。

水温と粉温の調整

パンをこねるときのコツとしては水温や粉温を調整をするとより美味しいパンを焼くことができます。

パンには種類に応じて適切なこね上げ温度があり、それに近づけるために水や粉の温度を調整するのです。

夏以外は、粉の温度を調整するより水温を調整する方が簡単なので水温を調整します。

ソフト系パンの場合、その水温を求める算式は次の通りです。

水温=40℃-粉温度

この水温でパンをこねると、パン生地のこね上げ温度は28℃前後になります。

これによって誤差なく希望のこね上げ温度になるとは限りませんが、毎回水温とこね上げ温度を記録して、次回に生かすことが大切です。

夏場だけは粉を冷蔵庫に入れて冷たく調整して使います

まりな先生
まりな先生

ちなみにもっと正確に水温を算出する場合は次の水温算出の計算式を用いて水温を算出します。

ご参考にしてみてくださいね。

水温=3×(こね上げ温度-摩擦係数)-粉温-室温
※摩擦係数…手ごねは-5℃~3℃、機械こねは6~10℃
私の場合は手ごね3℃、機械こねは8℃として計算をしています。

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ベタベタしてまとまりにくいときの対処方法

パンをこねるときのコツとして、手ごねをしていて生地がベタベタしてまとまりにくいときは生地を台に叩いてみましょう。

生地を持ち上げて切れないくらいになったら、生地を指4本にひっかけて、台に叩きます。

叩いた生地は向こう側へくるりと折ります。

くるりと折った生地の脇をまた指4本でひっかけて台に叩きます。

ベタベタする生地はまだグルテンの形成ができていないのです。

叩いていくうちに手につかないパン生地になっていきます。

YUKAさん
YUKAさん

なぜパン生地を台に叩くとよいのですか?

叩くことで早く強いグルテンができます

まりな先生
まりな先生

ただ生地を叩く方法は、階下に音が響くマンションや小さなお子様がお昼寝をしているときは難しいかもしれませんね。

パン生地を少しだけ休ませる

パンをこねるときのコツとして、少しだけ生地を休ませるという方法があります。

パン生地のこね終わりにグルテンチェックをしたときに、薄く伸ばす前に生地が切れてしまうことがあります。

そんなときはパン生地を少しだけ休ませましょう。

YUKAさん
YUKAさん

グルテンチェックでパン生地が伸びないんですけど
もう疲れたわ

YUKAさん、そんな時は1分パンを休ませましょう!

まりな先生
まりな先生

パン生地を置いておくと空気中の酸素に触れてたんぱく質の強度が少し増す、と言われています。

グルテンは摩擦と圧力によって形成されるので、置きっぱなしはダメですが、最後のグルテンチェックのときにはこの「休憩」は有効です。

また、1分間置いておくことによって生地の伸展性がよくなり膜ができやすくなります。

こねているときは生地も傷んでいますが、休ませると膜ができやすくなりグルテンチェックの見極めがしやすくなるです。

私はこのとき、生地が乾燥しないようにボウルを被せておきます。

グルテンチェックで生地が切れてしまったとき、見切り発車で先に進むのではなくパン生地を少し休ませましょう。

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パンをこねるときの注意点

パンをこねるときは次の3点に注意しましょう。

粉を足さない

パンをこねていて生地がベタベタしていても粉を足さないでくださいね。

パン作りをするに際し、レシピ通りに正しい分量の計量をされたと思います。

足したい気持ちはわかりますけど、そのまま頑張って!

まりな先生
まりな先生

ベタベタとしているからと粉を足してしまっては、小麦粉の配合が多い固いパンになってしまいますよ。

やがて手につかないような生地にこね上がります。

バターを入れるタイミング

パンをこねるときの注意点として、バターを入れるタイミングに気を付けなければなりません。

バターはグルテンがある程度(イメージとしては全体の2/3ほど)出来上がった段階で入れます。

YUKAさん
YUKAさん

なぜバターを最初から入れないの?

それはバターにはグルテンの形成を邪魔する性質があるからですよ。

またバターにはグルテンの形成を妨げる他に、発酵を抑制する特性があります。

バターがイーストと触れ合ってしまうとイーストをバターの油脂がコーディングしてしまって発酵を阻害してしまうのです。

パン生地をこねるときに、バターはグルテンが形成されてから入れましょう。

(ただし、例外として弾力を出したくないパンは早めに投入する必要があります)

ナッツやレーズンを入れるタイミング

パンをこねるときのコツとして、ナッツ、またはレーズンなどのを入れるタイミンググルテンが完全にできてから入れましょう。

YUKAさん
YUKAさん

レーズンは粉と一緒に入れてはいけないのですか?

レーズンを入れるのはグルテンができてからね

まりな先生
まりな先生

レーズンやナッツをグルテンができる前に入れると、それらのものがグルテンの形成を妨げてしまいます。

レシピによっては成形の時に入れるものもありますが、手ごねの段階で入れたいときは、グルテンが完全にできてから入れてくださいね。

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生地の乾燥

パンをこねるときの注意点として、生地が乾燥しないように気を付けましょう。

パン生地が乾燥すると固いパンになりがちです

まりな先生
まりな先生

こねの最初の段階では生地がまだベタベタしているので乾燥の心配は要りません。

が、手ごねをしているとだんだんと生地が乾燥してくることがあります。

その原因と対策は次の通りです。

  1. 冷暖房の風が当たっている→風の向きを変える
  2. こね台が木製のもので水分が吸う材質のもの→こね台を変える。極少量の水を足す。
  3. こね上げ温度が高すぎる→水温や室温を調整する

パン生地を乾燥させずに生地をこねましょう。

パン生地がこね上がったら次の工程の一次発酵に進んでくださいね。

グルテンがふわふわのパン作りの鍵!

ふわふわのパン作りのこね方の基本とコツは、次の通りです。

  1. 粉類と水を混ぜ合わせる→水温と粉温を調整
  2. グルテンができるまでこねる→ベタベタしているときは生地を叩く
  3. バターを入れて更にこねる→再びベタベタ生地をしたら生地を叩く
  4. グルテンチェックをする→生地が切れたら少し休ませる
  5. こね上げ温度を計る

ふわふわのパン作りに欠かせないのはグルテンですが、グルテンは圧力と摩擦をかけなければ形成されません。

力と根気が必要な作業ですが、コツをつかんでしっかりとこねて、ふわふわのパンを作りましょう!

生地がこね上がったら次の工程の「一次発酵」へ進んでくださいね↓

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • とても参考になりました‼︎ ありがとうございます(๑˃̵ᴗ˂̵)♫ 久しぶりにパン作りを始め、ポイントすっ飛ばし上手くいかず…。検索からこちらにお邪魔、結論こねが足りず発酵不足のまま焼き上げてしまいましたが、やっぱりパン作りは楽しい。また、楽しみを持って過ごす休日を迎えそうな期待。
    どのページ?もアドバイスにあふれ、やる気再燃しました。お礼と感謝をこめて。

    • yacoさま
      はじめまして。嬉しいコメントをありがとうございます。
      今年の夏は暑過ぎますね。そんななかパン作りをされて本当に素晴らしいです!
      パン作りに正解は無い、という言葉も有りますがせっかくお作りになるのですから美味しいパンを食べたいですよね。
      拙いブログではありますが、今までの経験の集大成のつもりで書いております。
      お役にに立てれば幸いです。どうぞ楽しいパン作りを♪

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