こちらの記事ではパンを家で焼いたのにパンが膨らまない(釜伸びしない)原因と対処法についてご紹介します。
パン作りをしているとオーブンから出したパンが想像していたほどには膨らまない状態は、誰もが経験することかもしれません。
オーブンの中でパンが膨らむことを「釜伸び」と言います
パン作りの焼成時に釜伸びせず、パンが膨らまない原因は一つではないのでなかなか特定することが難しいです。
それでもポイントを押さえてパン作りの工程を進めていけば、オーブンの中で気持ちよく膨らみ釜伸びするパンを焼けますよ。
パン作り歴27年講師歴17年の私が、パンを家で焼いたのに膨らまない(釜伸びしない)原因と対処法についてご説明いたしますね。
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パン作りの焼成でパンが膨らまない(釜伸びしない)原因
パンを焼いた時に膨らむ(釜伸びする)か否かは、こね方や発酵の状態や焼成時の温度が大きく影響するのです。
具体的には、焼成時にパンが膨らまない主な原因は次のものが考えられます。
焼成時にパンが膨らまない原因は次のとおりです。
こね不足
焼成時にパンが膨らまない原因の一つに「こね不足」があります。
こねるのをさぼったのがバレちゃいました~
そのようなパン生地はグルテンが少なく発酵で作り出される炭酸ガス保持することができません。
従って発酵の段階でも膨らみにくく、焼いても膨らまない(釜伸びしない)パンになります。
充分に膨らむパンを作るためにはグルテンができるまでこねましょう。
また適切なこね方はこちら↓をご覧ください。
パン生地が固い
焼成時にパンが膨らまない原因にパン生地が固い、ことがあります。
吸水率が低いパン生地は固くなり、オーブンに入れた時にあまり膨らまず釜伸びしません。
吸水率が高く水分を多く含んだパン生地の方が焼いたときに膨らみます
発酵の不足
パンの発酵の状態が発酵不足のまま焼成するとパンは膨らむこと(釜伸び)ができません。
発酵が足りない場合は、パン生地に膨らむ力が付かないのです。
一次発酵と二次発酵どちらが大事ですか?
両方大切ですよ。特に一次発酵の時にパンの膨らむ力が決まるのでしっかりね
発酵は過不足無く適切にするようにしましょう。
過発酵
発酵をしていてうっかりと過発酵になってしまった場合、パンを焼いたときに膨らまなくなってしまうことがあります。
それは焼成時に使うべきイーストの発酵力を発酵の段階で使い切ってしまうからです。
焼成の時もイーストの発酵力は必要なんですか?
パン生地をオーブンに入れてもイーストはすぐに発酵を止めるわけではありません。
パン生地が60℃になるまでイーストは発酵を続けながら「釜伸び」します。
なのでオーブンの中にパンを入れる段階ではまだイーストの発酵力を残しておかなければなりません。
発酵は適切にするようにしましょう。
また、一次発酵と二次発酵の正しい方法や見極め方はこちらの記事をご参考にしてください。
オーブンの不適切な温度管理
オーブンの温度管理が不適切だとパンを焼いたときに膨らまない(釜伸びしない)ことがあります。
次の2つがよくあるパターンです。
オーブンの温度管理が不適切でパンが膨らまないはケースは次の通りです。
予熱が不十分だった
パンを焼くときはあらかじめオーブンをしっかり予熱して、レシピに指定されている温度になってからパンを入れます。
予定の温度よりも低い温度でパンをオーブンに入れると、パンが膨らむ前に表面が固まってパン生地が伸ることができず膨らまなくなってしまうのです。
そのうちオーブンの温度は上がるしそのうちパンは膨らむし
ちょっとくらい低くてもいいと思ってました
オーブンの予熱はパンの二次発酵が完了する前から始め、パンを入れる時にはしっかりと温度が上がっているようにしましょう。
オーブンを早すぎるタイミングで開けた
パンを入れてから早すぎるタイミングで扉を開けるとパンは膨らまなくなってしまいます。
オーブンの中は庫内温度にばらつきがあるため、天板の位置替えをするのが一般的です。
そのタイミングは、レシピの指定時間の7割を経過してからにしましょう。
オーブンの扉を開けると、オーブンの庫内温度は一気に下がります。
まだパンが十分に膨らんでいない状態でオーブンを開けると、そのことが原因でパンが膨らみにくくなってしまうのです。
たとえばレシピに
「10分焼成する」と書いてあれば7分経過してから、
「20分焼成する」と書いてあれば14分経過してから、天板の位置替えをします。
天板の位置替えはレシピの指定時間の7割を経過してからにしましょう。
焼いたときに膨らまなかったパンの美味しい対処法
焼いたときに膨らまなかった(釜伸びできなかった)パンは、すでに焼いてしまっているので実はリカバリーの方法はもう無いのです。
一生懸命焼いたパンです
美味しく食べる方法をおしえてください!
そうですよね。美味しく食べるのが対処法ですものね。
その方法をご紹介します。
釜伸びしなかったパンを美味しく食べる方法は次のとおりです。
美味しい対処法は次のとおりです
食パンやフランスパンなど
食パンやフランスパン系(バゲットやカンパーニュなど)が焼いても膨らまなかった場合、勿論そのまま召しあがってもOKです。
ただ、食パンやバゲット、カンパーニュなどのシンプルなパンが過発酵の場合には私の経験上、ラスクにリメイクするのが美味しい対処法だと思います。
過発酵で膨らまない食パンやフランスパンはイーストが糖分を食いつぶしてしまっているので、甘味もなく時にアルコール臭さえもします。
副材料でカバーできないので失敗をダイレクトに感じてしまいます
パン粉にする方法もあるのですが、やはりあまり美味しくないパンでパン粉を作っても、フライがあまり美味しくないです・・・。
過発酵となってしまった場合はラスクにして美味しく頂きましょう。
菓子パンや総菜パンなど
ソーセージやクリームなどの副材料が入ったパンは、その副材料のお味でパンの失敗の味をカバーできるのでそのまま召しあがってくださいね。
また過発酵で膨らまなかった(釜伸びしなかった)ケースを除けば、ふんわり感はありませんが小麦粉を味わえますし焼きたてならばまあまあ美味しく食べられると思います。
ふっくら膨らんだパンを焼きましょう
オーブンにパンを入れた後何度かオーブンをのぞき込み焼き加減をチェックしますが、そんな時膨らんでいないと「あ~!やってしまった」とがっかりしますよね。
もうここまでくると焼成の途中でリカバリーの方法はありませんのでそのまま焼くほかは有りません。
よってそうならないようにすべての工程で丁寧にパン作りをすることが大切かと思います。
特にこね方と発酵は重要です
でも、時には膨らまないパンになってしまうことも有るでしょう。
そんな時は食パンやフランスパンなどシンプルなパンはラスクにして美味しいおやつに変身させてくださいね。
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