こちらの記事では、パン作り初心者の方に向けてパン作りの全工程をわかりやすく解説をいたします。
この記事をご覧になればソフト系の基本的な「丸めパン」をお作りになれますよ
もっと詳しいことをお知りになりたい方は、各工程ごとに詳細がわかる記事をご紹介しておりますので、そちらをご覧くださいね。
ではさっそくパン作り初心者の方に向けてパン作りの工程をわかりやすくをご紹介いたします。
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パン作りの工程の流れ
パン作りの全工程の流れは、次の通りです。
ではそれぞれの工程を具体的に見ていきましょう。
パンの材料の計量
パンの材料は主に強力粉・イースト・塩・砂糖・スキムミルク・バター・水などです。
それらの材料の計量は次のような方法で行います。
画像①
画像②
画像③
これをご覧になられて「面倒な計量方法」だと思われましたでしょうか?
上記の計量方法は一見すると面倒に感じますが、これら一つ一つには計量ミスを防ぐとても大切な意味があります。
パンの計量ミスはお料理のそれと違ってリカバリーできません
従って、計量はパン作りの工程の中で最も丁寧にするべき工程なのです。
パン作りの計量方法をもっと詳しくお知りになりたい場合はこちらの記事をご覧ください。
パン生地の手ごね
パン作りの手ごねは次のように行います。
パンのこね方にはいろいろな方法があります。
どのような方法をとっても間違いではないのですが、こねる目的はパン生地にグルテンを作りだすことです。
グルテンって作りだすものなんですね
画像④
パン生地がベタベタするときは台に叩くとまとまりやすくなりますよ。
時折グルテンチェックをしながら根気よくこねましょう。
グルテンチェックはパン生地を両手の薬指と中指で薄く伸ばしておこないます(画像⑤参照)。
パンのこね上がりの目安は、グルテンチェックをしてパン生地を薄く伸ばしてちぎれないようになった時です。
画像⑤
こね方の詳細をお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
画像を用いてわかりやすく解説をしていますよ。
パンの一次発酵
パン作りにおける発酵は、一般的にはその全工程の中で2回行われます。
一次発酵とは、パン作りの工程のうち最初の発酵を言いパン生地をこね上げたあとに行うものです。
パン作りの一次発酵の方法は次の手順で行われます。
パンの一次発酵の目的は、パン生地を熟成させて良い風味をつけパンが膨らむ力を養うことにあります。
この一次発酵の温度と時間の目安は次の通りです。
パンの種類 | 一次発酵の温度の目安 | 一次発酵の時間の目安 |
ソフト系パン | 26~28℃ | 40~90分 |
ハード系パン | 24℃以下 | 60~90分 |
この時間はあくまでも目安で、パンの種類や配合で変わってきます。
時間だけで判断せず必ずパン生地の状態で見極めてくださいね
一次発酵の時に発酵器があればベストな温度を設定できますが、お持ちでない方が多いと思います。
その場合、寒い季節はレンジやオーブンの発酵機能を使う、発泡スチロールの中に入れるなど適温を保つための工夫をしましょう。
画像⑥
↓一次発酵をする
画像⑦
一次発酵が終わったか否かの見極めは、フィンガーテストをして判断します。
画像⑧
写真のように発酵したパン生地に粉を付けた指を差し込んで引く抜き、その穴がふさがる具合を見るのがフィンガーテストです。
一次発酵完了のベストのタイミングは、指を抜いたときに指の穴の跡がちょっと縮まる、またはそのまま残るような状態になります。
穴が崩れてパン生地が萎んでしまうようでは過発酵で、穴がすぐにふさがってしまうようでは発酵不足です。
一次発酵の過不足は二次発酵でリカバリーできないから、しっかりね!
一次発酵の方法の詳細はこちらの記事に記載しておりますので、ご覧ください。
パン作りのパンチ
パンチとは一次発酵の途中でパン生地の中に発生したガスを抜く作業のことです。
パンチにはいろいろなやり方がありますが、基本のパンチは次のように行います。
- 発酵容器(タッパーやボウルなど)からパン生地を取り出して四角に形を整える
- 1.のパン生地を左から1/3折り、右から1/3折る
- 2.のパン生地を上から1/3折り、下から1/3折る
- 3.のパン生地を発酵容器(タッパーやボウル)に伏せて入れる
- 一次発酵の続きをする
パン生地にパンチをする目的は、パン生地のつながりを強くしたりパン生地を均一にする他、一次発酵を促進する役割もあります。
パンチっていうからパンパン叩くのかと思った!
パン作りのパンチは必ずしもすべてのパンに必要なわけではありません。
丸めパンのようなソフト系のパンにはパンチが不要なケースが多いです。
レシピに指示があったら必ずパンチをしてくださいね
パン生地をサボると、パンのボリュームが小さくなりますし食感も本来の物とはかなり違ってきます。
パンチの方法の詳細はこちらの記事をご覧ください。
基本のパンチ、強めのパンチ、弱めのパンチのやり方を写真付きでわかりやすく解説しています。
一次発酵を終えたパン生地の分割
パン作りの分割は、一次発酵を終えたパン生地を適切な大きさにカットする作業です。
分割は次のような方法で行われます。
この分割は、パン生地の大きさを揃えて成形をしやすくし、また発酵や焼成も均一に行うのが目的です。
画像⑨
画像⑩
画像⑪
なかなか一回でパシッと決まらないのよね~
分割の方法や早く分割するためのコツはこちらをご覧ください。
分割したパン生地の丸め
パン作りの丸めは、分割したパン生地を適度に張らせる工程です。
丸める目的は、一次発酵で膨らんだパン生地のガスを抜き分割でできた切り口を滑らかな状態にすることにあります。
そうすることによって、ベンチタイム中に新しく発生するガスをしっかりパン生地の中に内包できるのです。
ここでは丸めパンで行うソフト系小型パンの丸め方を説明しますね
- こね台に分割したパン生地を取り出して軽くガスを抜く
- 綺麗な面を表にして二つ折りにして表面を張らせるように片手でグルグルと丸める
このときの注意点は丸め方がきつすぎて生地が破れてしまわないようにすることです。
丸め方にはこのほかに次の3種類の丸め方があります。
- ソフト系の大型パンの丸め方
- ソフト系の長く伸ばすパンの丸め方
- ハード系のパンの丸め方
詳しい方法はこちらの記事をご覧ください。
パン作りのベンチタイム
パン作りのベンチタイムは、分割して丸めたパン生地を休ませる時間のことです。
ベンチタイムには次の3つの方法があります。
- 丸めたパン生地を板に乗せビニールをかけて休ませる
- 大きいタッパーなどに丸めたパン生地を入れて休ませる
- パンマットに丸めたパン生地を置き、上にパンマットをかぶせ更に濡れ布巾をかけて休ませる
上の3つのうちやりやすい方法でベンチタイムをとってくださいね
ベンチタイムの目的はパン生地を休ませて生地を緩ませ、その後の成形をしやすくすることにあります。
ベンチタイムは少し休ませる、って聞いたけど・・・何分休めばいいの?
ベンチタイムの時間と温度の目安は次の通りです。
パンの種類 | ベンチタイムの時間 |
小型パン | 10~15分 |
大型パン | 15~20分 |
あくまでもこれは目安なので、時間だけで判断せずパンの状況を見て見極めます。
ベンチタイムが終わったかどうかの見極はこちらの画像をご覧ください。
ベンチタイムが終了した目安は、写真のように大きさが一回り大きくなって、指でそっと押して放した時指の跡が残っている状態です。
ベンチタイムが適正でないと成形も上手にできませんよ
ベンチタイムの詳細をお知りになりたい方は次の記事をご覧下さい。
パンの成形方法
パン作りでベンチタイムを終えた後の工程は成形です。
ここでは基本の成形である「丸める成形」方法のうち「丸い丸め」について説明します。
基本の丸める成形は「丸い丸め」と「楕円の丸め」の2つです
「丸い丸め」の方法は次の方法で成形されます。
丸めパンはこの「丸い丸め」が成形方法です。
画像⑫
画像⑬
画像⑭
以上が「丸い丸め」の成形方法になりますが、この他に次の4種類の成形方法があります。
- 楕円の丸めの成形
- 包む成形
- 長く伸ばす成形
- 平らに伸ばす成形
これら成形についてはこちら↓の記事で写真付きで丁寧に説明をしていますのでご覧くださいね。
成形したパンの二次発酵
二次発酵とは、パンの工程のうち2回目の発酵を言い、成形の後に行われる発酵です。
二次発酵はパンの種類に応じて、次のいずれかのパターンで温かい場所に置く方法でおこなわれます。
- 型に入れる
- 天板に乗せる
- 布どりをする
- 発酵かごに入れる
この二次発酵の目的は、成形が終わった後にパン生地の緊張を緩ませ発酵させることにあります。
丸めパンはどのパターンかわかりません
丸めパンは天板に乗せて温かい場所に置いて二次発酵ですよ
温かい場所は、発酵器やオーブンやレンジの発酵機能があると便利です。
発酵器や発酵機能が無い合は、発泡スチロールの中やこたつの中に入れたりして適温を保ちましょう。
また温かい場所で短時間で発酵するのとは逆に、冷蔵庫で長時間発酵をする「低温長時間発酵」という二次発酵の方法もあります。
二次発酵の場合の温度・湿度・時間のおおまかな目安は次の通りです(低温長時間発酵を除く)。
パンの種類 | 温度 | 湿度 | 時間 |
ソフト系パン | 30~35℃ | 75~78% | 30分~ |
ハード系パン | 25℃前後 | 70% | 30分~ |
パンの種類や配合、大きさによって二次発酵に掛かる時間にはかなり差が出るので、パン生地の状態を見て二次発酵を見極めましょう。
丸めパンの場合はソフト系パンに該当します。
パン生地の状態を見て見極めましょう。
先生、私は二次発酵が終わったかどうかいつも迷います
二次発酵は終わったかどうかの見極めはなかなか難しいですが、目安がありますよ。
二次発酵が終わったどうかの見極めの目安は次の通りです。
- ソフト系:見た目が1.5~2倍になる
指でそっと押した跡が戻らない - ハード系:指でそっと押した跡が3~5秒かけて元に戻る
これらはあくまでも目安なので個々の発酵の状況に合わせて見極めましょう。
二次発酵の温度・湿度や時間など詳細についてはこちら↓の記事をご覧くださいね。
パンの焼成
二次発酵を終えたパンはオーブンに入れて焼成をします。
パンを焼成する目的は、でんぷんをα化して食べられるようにし、ガスの発生を止めてクラストに焼き色を付けて味と香りをよくするなどです。
パンの焼成方法はソフト系とハード系で違いがあります。
ソフト系のパンとハード系のパンの焼成方法の大きな違いは、スチームの有無と温度にあります。
ソフト系はスチームを入れずに焼き、ハード系はスチームを入れます。
今まで全部のパンにスチームを入れてました!
ソフト系にスチームを入れたら固くなりますよ
ソフト系のパンの焼成方法
ソフト系のパンの焼成方法は次のとおりです。
- オーブンの予熱をする
- パンをオーブンに入れて焼成する
- 焼けたら型こと台に軽く落として「ショック」をして型や天板からパンを取り出す
オーブンを焼成温度(ソフト系は180℃くらいのことが多い)まで予熱します。
予熱の間に卵を塗ったりトッピングをしておいてくださいね
パンを入れて時間が7割ほど経過したところで、焼きムラを防ぐために天板を入れ替えてください。
ショックって何のためにするんですか?
ショックはパンの中の熱い空気と外側の空気を一瞬で入れ替えて、パンの焼き縮みやケービングを防ぐためにします。
ハード系のパンの焼成方法
- オーブン、天板、陶板などを予熱する
- クープを入れたパンをオーブンに入れる
- スチームを入れる
- 焼けたらショックをして天板から取り出す
ハード系のパンの予熱温度は、ソフト系より高く「焼成温度+50℃」くらいまで温めてその温度を30分間キープします。
例えば200℃で焼成する旨レシピに記載があったら250℃まで予熱をしてくださいね。
私のオーブン、予熱に結構時間がかかるんです
そのような場合は、発酵が終わってから予熱をするのではパンが過発酵になってしまうので気を付けてくださいね。
パンをオーブンに入れたら、すぐにスチームを入れてから一度スイッチを切って1分くらいその状態を保ちます。
1分くらいたつとオーブンの庫内温度が焼成温度(ハード系の場合は220℃くらいのことが多い)くらい下がってきます。
そうしたら、焼成温度に設定温度を変えてから再びスイッチを入れて焼き始めましょう。
予熱温度のまま焼き切ったらパンが焦げてしまいますよ
焼成時間の7割で天板を入れ替えること、ショックをすることはソフト系と同じです。
パンの焼成の方法、スチームの入れ方などの詳細はこちらの記事をご覧ください。
パン作りで丁寧な暮らしを楽しんで♪
パン作りは慣れないと、その2時間以上に及ぶ工程がとても長く感じます。
でも一つ一つの工程にはコツや注意点がありますので、それを意識して作業をすると効率が良いですよ。
そして、パンには発酵時間があります。
その時間に他の用事をすませたりすると、パン作りだけで時間が過ぎていきません。
万が一何かを失敗しても、イーストと塩され入れ忘れなければ焼いてしまえば何とかなりますよ!
肩ひじ張らずにパン作りに挑戦をして、丁寧な暮らしを楽しみましょう。
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